タネトシカケ 髙口裕之氏「新しい価値や市場の創造を複数生み出していく」
2024年のマーケティングおよびメディア業界は、テクノロジーや市場環境の急速な変化を受け、これまでの慣習や枠組みに頼らない柔軟なアプローチが求められるようになった。7月に発表されたChromeにおけるサードパーティCookie廃止の撤回をはじめ、AI活用が実践フェーズに突入したことでデータドリブンな戦略がさらに重要視されるなど、手法が大きな転換期を迎えたことは明らかだ。 こうしたなか、Digiday Japan恒例の年末年始企画「IN/OUT 2025」では、当メディアとゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブにアンケートを実施。2024年をどのように総括し、2025年に向けてどのような挑戦と成長のビジョンを描いているのか、その想いに迫った。 株式会社タネトシカケで、代表取締役を務める髙口裕之氏の回答は以下のとおりだ。 ◆ ◆ ◆
──2024年のもっとも大きなトピック・成果は何ですか。
以前より個人事業主として各社のサポートをしていましたが、2024年3月に法人化してより幅広い産業や業界のお手伝いをさせていただくことになりました。 そこで見えた大きな発見として、まったく違う方向を向き、まったく違う業容を展開している企業が更なる成長を描いたとき、それぞれが取り組みを実施されているクライアントに対し、双方のモノやサービスを組み合わせて提供することでより一層深い取り組みになり、クロスセルやアップセルの可能性が生まれるということに気づいたケースがいくつもあったということ。 そしてそれを実際に双方に話し、提案し、繋げることでA社のクライアントへB社のモノやサービスを付加価値として提案、提供する動き(往々にしてその逆も成立)が複数創れたということは非常に大きなトピックだと感じています。 従前より自身のマーケティングを行う上での思考ポリシーとして、企業の存続に必要な利益創出や価値の最大化を実現するには市場・顧客を創造することが肝要、そしてそれは新たなニーズの発見×新しいウォンツの創造と提供こそがもっとも優先されると志向してきましたが、そのためには関与していない逆の領域のような産業や業界にこそヒントがあると常に意識してきました。 2024年は法人化して、実際に多様な産業・業界のサポートをさせていただく機会を得られたことでそれを実際に見て、関与し、リアルに繋ぐことでそういった動きが図れたことは大きな成果であると感じています。