イーロン・マスクと普通の人「家族観」の歴然の違い
すべてが規格外の話ばかりだが、「きみは僕と同じなんだ」という決めつけはいかにもマスクらしい強引さをもっている。 なんだかアイスクリームのように甘い話題で書いていてむず痒いが、最後は経済メディアらしく締めよう。 ● 結婚・離婚で仕事のパフォーマンスは低下 マスクは結婚や離婚を繰り返してきたが、普通はこんなことをしていては仕事など手がつかないものだ。 フロリダ大学とシンガポール経営大学の研究者が発表した論文『限定的注意、結婚イベント、ヘッジファンド』では、ヘッジファンドマネージャーが結婚や離婚といった個人的なイベントに直面した際に、投資パフォーマンスに与える影響を実証的に分析している。 ヘッジファンドのリターンやマネージャーの結婚・離婚記録を用いて、ファンドパフォーマンスの変化を、結婚・離婚イベント前後の6カ月間とその後2年間の期間で比較したのだという。 すると、以下のような結果が出た。 ・結婚の周辺6カ月間では、年率約8.5%のパフォーマンス低下が見られた。 ・離婚の場合も同様で、6カ月間で約7.39%の低下があった。 ・結婚後2年間でも、年率3%以上のパフォーマンス低下が続いた。 やはり、3回もの結婚と離婚を繰り返せば、普通の人なら人生が潰れてしまってもおかしくないということだ。 ファンドマネージャーといえばお金に余裕があり、優秀な弁護士を雇うこともできるので、離婚の手続きにもそこまで手間はかからないはずだ。結婚だって、お金を積めば面倒ごとを代わりにやってくれる人もいるだろう。それでも、これだけのパフォーマンスの低下が出てしまう。 世界トップクラスの企業群を率いるマスクの常人ならざる行動力には、脱帽するほかないだろう。
小倉健一