収入は増えないのに物価は上昇し続ける…国民にだけ我慢を強いる自民党政権の「無責任」を許していいのか
■政府の失態である物価高が「天災」? 例えば、2023年7月18日にNHK「クローズアップ現代」が放送したのは、物価高をまるで「天災」のように捉えて対処を考える、次のような内容でした。 ---------- 「食品の値上げが相次ぐ中、食費の節約志向が高まっている。そこに意外な落とし穴が。食事がパンや麺類など炭水化物に偏り、体や筋肉を作るたんぱく質が不足するなど、いつの間にか“低栄養状態”に陥る人が少なくないことがわかってきた。さらに持病を悪化させる危険も…。“値上げ時代”、私たちは節約をしながら、どう健康を守ればいいのか? 必要な栄養を確保する簡単なコツとは? 専門家と具体的な“秘けつ”を徹底検証する」 ---------- 政府が有効な物価高対策をできていないから、食品の値上げが止まらないという根本的な原因と政府の責任には目を向けず、やむを得ず食費を減らす行動を「食費の節約志向が高まっている」などと、あたかもライフスタイルの選択肢のように表現し、「“値上げ時代”を前提化して「節約しながら健康を守る秘けつ」を紹介するという姿勢でした。 ■まるで戦時中のようなメディアの報じ方 また、2024年9月13日に大阪の毎日放送が放送した「よんチャンTV」は、米が5キロで1000円値上がりしたと指摘したあと、「もち麦」という穀物を米に混ぜて炊けば、ごはんを「かさ増し」できるという「生活の工夫」を紹介しましたが、実際にそれをしているという市民は、こんなコメントを述べていました。 「2合ちょっとをもち麦にしたりして耐えてます。おいしくはないですね」 先の戦争中、日本国民は米不足への対処として、麦や芋、大豆、野菜の葉などを一緒に炊いて「かさ増し」していましたが、それと同じことが、現代の日本で起きています。 にもかかわらず、こうした事態を招いた原因が「自民党政権の失政」だと指摘したり、有効な物価高対策を打てていない自民党政権を批判したりする動きは、大手メディアの報道や情報番組に、ほとんど見当たりません。政府や国家指導部の失敗の責任を追及せず、国民側の工夫と我慢だけを推奨するという受け身の報じ方も、戦時中と同じです。 自民党は献金やパーティー券購入など、さまざまな形で大企業からの金銭を得ており、物価高という一般国民の暮らしに直結する問題への対応策も、必然的に大企業の利益に沿ったものばかりになります。言い換えれば、大企業の顔色さえうかがっていれば、それ以外の一般国民を無視してないがしろにしても、権力の座に居座り続けることができる。それが、2024年現在の日本です。 現在の自民党政府は、「自国民の暮らしを守る責任感の底」も抜けたかのようです。