こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】誰も知らないブーンベースの3列7人乗りミニバン[ルミナス]がフリードになれなかった理由
■あえてミニバンとは定義せずコンパクトカーの新しいカタチをアピール
開発時のテーマとして掲げた「広くて、使いやすい、7シーター スタイリッシュ コンパクト」を端的に表しているのは、やはり車両のパッケージだ。 全高を1620mmとしたロールーフのスタイリッシュなデザインでありながら、エンジンルームをコンパクトにしてタイヤを可能な限り四隅に配置することで2750mmのロングホイールとした。これにより、全長4180mmというコンパクトカーと同等サイズとしながら2550mmという室内長を実現した。 十分な室内長を活かし、特に2列目シートには余裕の足もとスペースが確保され、150mmのスライド量や最大20度のリクライニングを可能したことも相まって心地よく乗車できる。 3列目シートについては、大人でも乗車できるよう配慮されているが、ダイハツ曰く「自然な姿勢で座ることができる」ほどのスペースは確保されていない。 もともとボディサイズが小さいことが大きく影響しているが、ロールーフタイプのミニバンにありがちな「補助席」で、大人でなくとも長時間乗車するのは難しく快適とは言い難い。あえてミニバンと定義しなかった点もこうした特徴にあるのかもしれない。 ボディサイズが小さいためミニバンとしては居住性に物足りなさがあるものの、実用性については十分に満足できる能力を有している。特に荷室はサイズなりの容量が確保され、室内空間の機能性を高めるシートアレンジが採用されている。 ロールーフタイプに限らず、ミニバンを利用するユーザーは、普段は2列シートしか使わず3列目は常時格納していることがほとんどと言われている。その理由のひとつにアレンジ操作が面倒であることが挙げられる。 そこでブーンルミナスでは、必要なときに必要なカタチで2列目と3列目が使えるよう、シートバックを倒すだけで誰でも簡単にアレンジ操作ができるよう配慮されている。そもそもブーンルミナスは「子育て世代の女性をメインユーザー」に想定していたこともあって実用系機能が簡単に使えることにこだわっていた。