来季2025年のFIA TCRワールドツアーは、メキシコやパナマなど新規中米開催を加えた全9戦に拡大か
今季より、新たにFIA格式の認定を受けたTCR規定ツーリングカーの世界戦FIA TCRワールドツアーは、その2年目となる来季2025年に向け新たな訪問地を検討していることを明かし、オーストラリアへの再上陸に加えてメキシコ、パナマの新規開催地に向かい、アメリカとウルグアイのカレンダー落ちの可能性もささやかれつつ、全9戦への拡大が計画されている。 【写真】マカオのギア・サーキットを走るシビック・タイプR TCR 世界的な人気を誇るゴルフやテニスのツアー制にヒントを得て、各大陸のリージョン選手権や国内選手権の人気イベントなどとジョイント併催とした新機軸のチャンピオンシップは、今季の全7戦からプラス2戦の拡大を目論んでいる。 そんな折り、このTCR規定の生みの親でもある、おなじみWSCグループ代表のマルチェロ・ロッティは、訪問先となっていた南米メディアの『Motores En Punta』に対し「まず確認されたのは、我々は来季アメリカには行かないということだ」と、今シーズン第3戦としてミド・オハイオで開催されたラウンドの“ツアー落ち”を明言した。 「現在の我々のアイデアでは、来季モロッコを含むヨーロッパ・ブロックで3戦ほどのイベントを実施し、中米のメキシコを含む南米大陸で3戦、そしてオーストラリア大陸に戻り、そこからマカオでのリピートを意図したアジア・ブロックで3戦の開催を考えている。ただし、これらはまだ協議中のプランだ」と明かしたロッティ。 そのFIA TCRワールドツアーは、今季2024年もオーストラリア大陸への訪問を予定していたが、世界的な物流網の遅滞とコンテナ不足による不確実性を考慮し、開幕前の早い段階でバサーストを含む豪州2戦のキャンセルをアナウンスしていた。 また、国内選手権としてニューフェイスのTCRメキシコは、TCRの権利保有者であるWSCと3年契約を結び、国内複合シリーズである『コパ・ノティアウト・メキシコ』内のクラスとして設立されたが、これが2025年にFIA TCRワールドツアーの一戦として組み込まれるラウンドの下地になると思われる。 「ウルグアイに向かう前に、我々はメキシコとパナマで重要な人物との会合を持った」と、8月3~4日にエル・ピナールで開催された2024年FIA TCRワールドツアーの第5戦を前に立ち寄り先があったことを明かしたロッティ代表。 「我々はTCRのコンセプトを新しい地域で拡大し、それを世界選手権として実現することに興味を持っている。現在、もっとも可能性が高いのはメキシコだと思ってはいるが、他の大陸や国々での可能性も引き続き評価していく」 その今季ウルグアイは接触ペナルティ乱発の荒れた週末となり、レース2ではライトシステムの不具合による仕切り直しも経験したことから、これらの影響は不透明ながら、ツアー初年度から2年連続での開催を最後に世界戦のスケジュールから外れる公算が高まっている。 「ただし、この先もすべてが可能だ。全9戦のカレンダーがあれば(復帰の)可能性はより高まるだろう」と、そのウルグアイにも2025年以降のカムバックの可能性があると示唆したロッティ。 「最終的に全8戦のカレンダーになると、メキシコはすでにひとつの居場所を確保しており、今季はブラジルが大盛況を収め非常にうまくいったため、少し難しくなる。しかし繰り返すが、8月末にカレンダーをまとめてFIAに通知するまで、何も合意されている事実はないんだ」 [オートスポーツweb 2024年08月09日]