開拓者・本田圭佑のらしい決断、メキシコ・パチューカ移籍は成功するのか?
6月末をもってACミランとの契約が満了し、所属チームのない“浪人”状態となっていた日本代表FW本田圭佑が14日、メキシコリーグの強豪パチューカと電撃契約した。 本田は自身のツイッターとインスタグラムを同日に更新。現地で契約書にサインする動画とともに、日本語と英語、スペイン語で「移籍決定!メキシコ、パチューカ」とフォロワーへメッセージを発信した。 今年1月にMLS(アメリカ)のシアトルと移籍交渉の場をもっていた本田は、最終的にはミランとの契約をまっとうする道を選択。フリーで移籍できるシーズンオフの市場へ向けて、こんな言葉を残していた。 「対象はあまり絞っていないですね。幅は広めにしようと、自分の頭のなかでは柔軟にしているので。自分が成長できる、面白くて刺激的に思えるクラブへ常に挑戦心をもって移籍してきたなかで、どんな話でも聞いてみようという心構えではいます」 同時にJリーグへの復帰を完全否定。その後はラ・リーガ(スペイン)のラスパルマスやレバンテ、MLSのロサンゼルスなどの名前が挙がり、一時はトルコの強豪ガラタサライとの交渉が伝えられるも破談と報じられた。 それだけにパチューカという選択は、日本人にほとんど馴染みのないメキシコという国もあいまって、いい意味での衝撃を与えた。たとえば盟友のDF長友佑都(インテル)は、直後に更新したツイッターでこうつぶやいている。 「圭佑らしい決断したね。見知らぬ土地と環境で勝負するのは、想像以上に大変だろうけど、頑張ってほしい(原文のまま)」 浦和レッズとの国際親善試合のために来日中のボルシア・ドルトムントと合流。この日に2020年までの契約延長を発表したMF香川真司をして、「圭佑君にしかわからない決断」と驚かせた電撃移籍だが、そもそもパチューカとはどのようなクラブなのか。 創設は1901年で、アメリカ大陸で最古の歴史をもつチームのひとつとされる。メキシコ全体が高地にあるが、そのなかでも中央部にある標高約2400メートルの都市パチューカが本拠地。3万人収容のホームのエスタディオ・イダルゴで無類の強さを誇り、2015年1月を最後に不敗神話が続いている。 18チームで構成されるメキシコ1部リーグ「リーガMX」は、アペルトゥーラ(開幕ステージ)とクラウスーラ(閉幕ステージ)の2ステージ制で行われる。それぞれ1回戦総当たりで、各ステージ終了後に上位8チームによる決勝トーナメントで頂点を決める。チャンピオンシップの類は設けられていない。