補償されるとは限らない…増えるクレカの不正利用、被害に遭わないために知っておきたいこと
カード利用者個人ができる不正利用対策
警視庁はクレジットカード不正利用被害を防ぐための注意点として、以下の2点を挙げている。 1.クレジットカードを他人に見せない(見られる隙を作らない) 2.クレジットカード情報を、インターネット上の信用できるサイト以外では入力しない また、経済産業省はEMV-3Dセキュア(本人認証サービス)の設定を推奨している。3Dセキュアは不正利用防止のため、リスクに応じてクレジットカード利用者の本人認証を行う手法で、あらかじめ設定したパスワードやワンタイムパスワードなどによって本人認証を行うもの。 3Dセキュアはクレジットカードの不正利用防止に有効とされ、「今後、3Dセキュアが設定されていないクレジットカードは、ECサイトなどで使えなくなる場合がありますので、早めの設定が重要です」(経済産業省)としている。 さらに、フィッシング対策としては、カード利用者がカード情報を取られないように不審なメールを開かず、不審なメールの本文に貼られているリンクをクリックしないといった対策が求められる。 ただし、これらの対策をとっていても残念ながら万全とは言えない。 実は加入したまま使っていなかったカードが利用されてしまったり、買い物で使ったことのあるECサイトなどがサイバー攻撃を受けて利用者のカード情報が窃取されてしまったりすることがあるからだ。 使わないカードについては、解約すれば被害が防げるが、ECサイトなどからカード情報が盗まれてしまうことは、個人レベルでは防ぎようがない。 さらにあらかじめ設定したパスワードが何らかの原因で盗まれてしまえば、本人認証をすり抜けてクレジットカードが使われてしまう恐れもある。 個人でとれる対策には限界があり、身に覚えがなくても被害に遭う可能性があることも知っておくべきだろう。
宮里秀司