電動版Gクラス登場。電気で走るメルセデス・ベンツ「ゲレンデ」は、なにが凄いのか?
充電ネットワークにも一石を投じる
G580の発表会では、もうひとつ興味深いアナウンスがあった。メルセデス・ベンツ・ハイパワー・チャージング日本合同会社(以下、MBHPCJ)という新会社を設立して、高出力EV充電ネットワークの構築を進めるというのだ。 EV充電事業のパートナーにはパワーエックスが選ばれ、同社が製造するHyperchargerを出荷するほか、チャージステーションの候補地の選定から運営までを支援するという。 前出のゲルティンガー剛CEOによれば、現在の日本市場のBEVの比率は2%弱で、メルセデス・ベンツが10%弱。ただし、どこかで必ずBEV シフトが起こるはずで、それまでに「BEVといえばメルセデス・ベンツ」というスキームを築きたいとのことだった。 MBHPCJの充電ステーションの計画は、今後2年間で25拠点、100口とそれほど多くはないけれど、パワーエックスの最新技術を活用して最先端のチャージング網を構築するという。まずは量より質、ということだろう。 Hyperchargerの標準モデルと対応車種を組み合わせた場合は、10分程度の充電で約150kmの航続距離をまかなうという。しかも専用アプリを用いることで、予約から決済、充電までスマートフォンで完結するというから、これまで「充電が面倒だから……」と二の足を踏んでいた層にも響くはずだ。 G580の登場は、単純にひとつの車種に電気自動車が追加されたというだけでない。BEVだからこそクルマのパフォーマンスの可能性を広げられることを示したり、充電インフラの拡充のきっかけとなるなど、広範囲に影響を及ぼすはずだ。 メルセデス・ベンツ G580 with EQ Technology Edition 1 全長×全幅×全高:4730×1985×1990mm ホイールベース:2890mm パワートレイン:4輪独立モーター システム最高出力:587ps システム最大トルク:1164Nm 駆動方式:4輪駆動 価格:2635万円~(税込)
TEXT=サトータケシ