「いきめる!!!」分娩時間3時間、辛かった陣痛を経て赤ちゃんとご対面!<医師監修あり>
なかなかお産が進まないイメージのある初産。yasucoさんは思っていた以上のスピードでお産が進行。分娩時間3時間というyasucoさんの出産エピソードをご紹介します。 【漫画を読む】yasucoさんの出産体験記を最初から読む 生まれる赤ちゃんの数だけある出産のエピソード。SNSで見たり、プレママ友やママ友から話を聞いたりしたとき、なんとなく気になることがあったりしませんか? 妊婦さんが少しでも快適なマタニティ生活を送れるよう、yasucoさんに今回の出産時の経験を共有していただき、女性医療クリニックLUNA横浜元町・婦人科医である小野寺真奈美先生に出産にまつわる疑問点を教えていただきました。 破水後に産院を訪れてからおよそ4時間(本陣痛からは3時間)、目まぐるしく痛みは変化し、驚異のはやさで分娩台へと移動したyasucoさん。 準備が着々と進み、俄かに忙しくなった分娩室でしたが、医師がなかなか到着せず、いきみたい状態になっていったyasucoさんは「先生来ないと産んじゃダメですか⁈」と不安に。けれど、実はまだ子宮口が全開ではなかったため、いきんではいけなかったのでした…。 そして、ついに「いきんでいい」と言われ、ソフロロジーのことを思い浮かべます。 yasucoさん「ソフロロジーを推奨している産院で、妊娠中期頃に呼吸法のCDをいただきました(産院からは繰り返し聞くように言われましたが、実は一回しか聞いていません笑)。ソフロロジーの考え方は、ネットで調べて自分なりに解釈し、「お産は赤ちゃんと共に。できるだけリラックス。焦らない。怖くない。息は吸うことより、吐くことを意識」と頭に刻み込んでお産に挑みました。 何回かいきんだあと、無事に赤ちゃんが誕生! yasucoさん「2550g程度の小さい赤ちゃんだったこともあり、赤ちゃんとの対面の第一声は「ちっちゃーい!」でした!」 ちいさな赤ちゃんとの対面に浸っていたyasucoさんですが、産んで終わり、というではありませんでした。おなかを押されて胎盤を出されたり、切れてしまった会陰を縫われたり…大切な処置がその後も続き、地味な痛みに苦しむことに。 yasucoさん「お産中の痛みは我慢できないくらい派手に痛い! お産後の痛みは我慢できるけど地味に痛い!…つまり、どっちも痛い^^; お産を振り返って1番辛かったのは「いきみ逃し」ですね。体が勝手にいきもうとするのを我慢するのが辛かったです。いきめるようになる前と後の違いは、インスタの12話のラストページでご覧ください!笑」 本陣痛から赤ちゃんの誕生まであっという間だった3時間。今回の出産をyasucoさんはどのように感じていたのでしょうか? yasucoさん「あれよあれよという間に進んだお産でした。常に「えっ!もう⁈」という反応をしていたと思います。「もう痛くなった⁈」「もう陣痛きた?」「もう分娩台⁈」「もういきんでいいの?」「もう出た??!!!」という感じでしたね。 産後の回復は早かったと思います! お産は疲れましたが、それでも3時間と短かったので体力はまだ残っていたと思います。「さぁ、今からもうひとり3時間でお産しましょう!」と言われたら、「マジかよ~!」と言いながらも挑んだかもしれません!!!笑」。 痛みを必死にこらえながら、その痛みや進行具合を冷静に分析しつつ、yasucoさんはお産を楽しんでいたそうです。 ■専門医に聞く「出産」にまつわるギモン yasucoさんの出産レポートをもとに、現在女性医療クリニックLUNA横浜元町・婦人科医であり、ご自身も2児の母である小野寺真奈美先生に、出産にまつわる様々な疑問をお聞きしました。 ──先生が来ないと出産ができないと思っていたyasucoさんですが、先生待ちではなかったことが判明。先生が来ない間に出産が進んでしまっても、問題はないのでしょうか? 「分娩の進行は人それぞれです。今回のyasucoさんがいきめない(産めない)状況であったことは子宮口の開き具合や赤ちゃんの位置から総合的にまだその状況ではなかったのではと推測されます。子宮口という赤ちゃんの出口が全部開いた状態(全開大)、そして赤ちゃんの位置が下がってきている状態で、いきみを行います。 助産師さんは正常分娩の出産と母子の健康を総合的に守る役割とされており、主に分娩を担当し、医師は助産行為を含む医業および母子の健康と安全に責任をもって守る役割とされています。助産師と医師とが連携していくことが分娩に関しては重要となります。あくまでお産の中心はお母さんと赤ちゃんであり、それを安全に守るために医師と助産師はサポートしております」 ── yasucoさんがいう「ソフロロジー」とはどのようなものですか? 「ソフロロジーとは、精神の安定と調和を得る方法で落ち着いて分娩に向かえるように行うものです。具体的には呼吸法やイメージトレーニングなどがあるといわれています」。 ──出産後、おなかを押され胎盤を出す処置をされた描写があります。胎盤を出さないとどのようなことが考えられるのでしょうか? 「胎盤は分娩後しばらくして役割を終え自然に出てきます。胎盤が出てくることで子宮の収縮が促されます。子宮が収縮しないと出血量が多くなり、緊急事態になる可能性や感染症の原因となる可能性もあります。 そのため、あくまで自然に娩出することを助けます。無理に行ってしまうと子宮内反症といったことが起こる可能性がありますが、癒着胎盤などでなかなか排出されないこともあり、注意が必要な処置となります」。 ──出産後、写真撮影などもして穏やかに過ごされていたyasucoさんでしたが、急に血圧があがり、具合が悪くなってしまったそうです。このように急激に体調が変化することはよくあることなのでしょうか? 「産後は血圧の上昇などが起こることがあります。血圧上昇による合併症(脳出血、子癇発作など)にも注意が必要です。それだけでなく、産後は変化が起きやすい状態のため、産後2時間程度、分娩室で安静に様子を見ることもあります」。 ──初産で3時間というのはとても早いかと思いますが、かかる時間の違いというのはどういったことから考えられるのでしょうか? 「一般的に初産婦のほうが経産婦よりも分娩時間が長いとされています。それは前回の分娩時に胎児が通過しているためスムーズに分娩がすすむということが大きいです。また、切迫早産や頚管無力症と診断されている方は進行が早いことがあるため初産婦でも注意が必要です」。 イメージしていたことや聞いていたことと異なることが起こりうるのが出産。例え初産であったとしても、yasucoさんのように思っていた以上に進行が早いということもあります。突発的な出来事が起こっても少しでも落ち着いて過ごせるよう、不安を感じたことは相談をするなど、心の準備もしておきましょう。 yasuco フルタイムで働く一児の母。出産や子育てのレポートやコーデイラストなどをインスタグラムに投稿 取材・文=伊藤延枝 医療監修=医療法人LEADING GIRLS 女性医療クリニックLUNA横浜元町 婦人科医 小野寺真奈美先生