「狐憑き」「悪いものがついている」トゥレット症への差別・偏見に当事者が訴えたいこと
僕自身は、子どものころに病気が発覚したこともあり、小児科の先生にずっと診察を続けてもらっています。 医学的に厳密なことはよくわかりませんが、トゥレット症の治療には、脳や神経や精神にかかわる科、小児科など、複数の科に少しずつまたがるような知識が必要になります。 だから、これらの知識を踏まえたうえで、総合的に見てくれる先生が一番好ましい。ひとつの観点からだけで見ると、何かの兆候を見逃してしまったり、患者に無理を強いたりするリスクも出てきてしまいます。だから、先生選びはとても重要なのですが、地方にいると「よい先生にめぐり会う」という以前に、まず専門の先生があまりいないので、トゥレット症の適切な知識を持った先生に出会うことすら難しいのです。 なお、現在、主治医を探している当事者の方は、NPOのトゥレット協会のホームページを見てみるのがおすすめです。このホームページ内には、トゥレット症の診察ができる先生の名前がリストアップされています。
随時更新されているので、リストを見て、ご自宅から一番近い、あるいはアクセスのよいお医者さんに連絡を取ってみてほしいと思います。 ● 1番早く変わってほしいのは「教育」 病気を知ってもらうことが第一歩 今後、トゥレット症をはじめとするさまざまな障害や病気を持つ人が生きやすい世の中になるために、一番変わってほしいこと。それは教育です。 この病気に限らず、義務教育の段階で、子どもたちがさまざまな病気を知る機会が増えれば、病気に対する理解も生まれるはずです。社会的なストレスがぐっと減るはずなので、この病気について悩む人はもっと少なくなることは間違いありません。 繰り返しになりますが、この病気については「多くの人がこの病気について知らないこと」自体が大きな壁になっています。 最近は、小学校などに行って、「世の中にはこういう病気があるよ」と講義する取り組みを行っているトゥレット症の当事者もいます。なぜ小学校の子に病気について教えるのかというと、大人になってから知識を得ても、素直に受け入れられなかったり、やはりどこか偏見を抱いたりしてしまうものですが、小学生くらいの時期の子どもは偏見が少ないので、言われた知識をすっと吸収してくれるからです。