きゃりーぱみゅぱみゅ、新しい学校のリーダーズ…日本の「原宿カルチャー」を築いたアソビシステムの次なるビジョン
日本の都市開発は、建物を次々と建て替えて街を拡大していきますが、原宿の場合は、昔ながらの街並みと新しい街並みが共存しながら成長を続けています。そうしたなかで、時代とともに新しいカルチャーが生まれ続けているのが原宿の良さなのではないでしょうか」 2010年代の原宿は、「原宿系」というカテゴリーがあったように、ファッションカルチャーの発信地としてのイメージも強かった。
ロリータファッションやデコラなど原宿を代表とするファッションが多種多様に生まれたが、現在は以前ほどのイメージは強くない。ファッションカルチャーとしての原宿はどのように変化してきたのだろうか。 「原宿に来る人の絶対数が増えていることは間違いありません。昔に比べて人出が激しくなり、以前ほどそういったファッションの方が目立つことがなくなりました。かつては路上でスナップ撮影をしたり、座り込んで交流したりすることができましたが、今では人が多すぎてそうしたことも難しくなっています。 一方で、裏原宿のお店は家賃が安価で出店しやすい環境が残されています。そのためタトゥースタジオなどの新しいカルチャーが次々と生まれている様子がうかがえます。原宿は人出が増えても、常に新しいカルチャーが生まれやすい土壌があるのです。 原宿のファッションや裏原宿の街並みは、あえてカルチャーを残そうとするのではなく、ずっと自然に続いてきたものです。新しいものと古くからあるものが共存し、時代とともに変化を続けている。そこに人々を引きつけてやまない原宿という街の熱気が感じられます」
時代に合わせるのではなく、時代に合うタイミングを逃さないこと
アソビシステムは、今年で創業17年を迎える。 アソビシステムから発信されるアーティストやカルチャーは常に新しい刺激があるが、中川氏によると、2010年代と比較してインフルエンサーの発信も、徐々に変化してきているという。 「SNSの発信力は複雑化してきており、かつては大規模なフォロワー数が重要視されていましたが、最近では小規模ながらも熱心なファンを持つマイクロコミュニティーが注目を集めるようになってきました。 たとえば、100万人のフォロワーがいても実際に動員できるのが1,000人だとすれば、5,000人のフォロワーながら1,000人を動員できるインフルエンサーの方が、実質的な影響力は高いということです。昔は100万人のフォロワー数が最強と見なされていましたが、今は熱心なファンの数こそが重要な指標となっています。 マイクロコミュニティーの台頭は、このような変化を物語っています」