きゃりーぱみゅぱみゅ、新しい学校のリーダーズ…日本の「原宿カルチャー」を築いたアソビシステムの次なるビジョン
2010年代の原宿カルチャーを語る上で、絶対に欠かせないワードのひとつに「アソビシステム」がある。2000年代に入ると徐々に新しい流行を感じるようになってきたが、アソビシステムがその流れをさらに加速させる一翼を担っていたと言っても過言ではない。 2007年に創立されたアソビシステムは、日本が誇る原宿カルチャーをはじめとする、カルチャープロダクションだ。きゃりーぱみゅぱみゅや、中田ヤスタカ、増田セバスチャンなど、日本が誇るアーティストやクリエイター、モデルや俳優が所属している。 今回は、2010年代に新たな原宿カルチャーを切り開き、また世界に日本のカルチャーを発信し続けている、アソビシステム代表取締役社長・中川悠介氏にお話を伺った。
新たな原宿カルチャーを切り開いたアソビシステム
アソビシステムの代表・中川悠介氏は、世の中に「青文字系」という言葉を生み出し、世界で活躍するアーティスト・きゃりーぱみゅぱみゅを筆頭に、多くのアーティストやクリエイター、タレントを輩出してきた。 2010年の原宿に新しい風を吹かせただけでなく、世界中の人々が日本のカルチャーに驚き、注目するきっかけを作り、まさに原宿のシーンが変わるフックになった。
現在も新しい学校のリーダーズをはじめ、アソビシステムから発信されるアーティストやカルチャーは話題になっているが、どのような経緯でアソビシステムは生まれたのだろうか。 「2007年に会社を作ったのですが、当時はスタートアップという言葉がなかったので、自分たちのやりたいことを形にするために、『箱』として会社を作りました。 最初から事業計画があったとかはまったくなく、起業したというよりは、日々の日常の中身を形作っていた…という感じですね」
中川氏の活躍は、アソビシステムを設立する前から話題になっていた。2002年から火曜日が定休日である美容師に向けた月曜夜のイベント「美容師ナイト」を手がけてきた。 当時は、憧れの職種を中心に「カリスマ」のワードの認知度が高まり、美容師にもカリスマ美容師という言葉が生まれて人気を博していたが、「美容師ナイト」が開催されることによってそのカリスマ性はさらに高まった。 また、服飾系の学生を集めたファッションショーも中川氏の手腕を物語る要素のひとつだ。 当時『Zipper』などで活躍していた読者モデルも、このファッションショーなどのイベントにより、ブームとしてだけの存在ではなく、服飾学生としてのクリエイティブな一面がフォーカスされて、新たな局面を迎えるきっかけとなった。 「美容師の中にはDJを務める方もいらっしゃいましたし、来場者も美容師や美容学生、スタイリストなど、業界関係者が中心となりました。そうしたことから、自然と美容関連のカルチャーが集まるイベントへと発展していったのです」