銅管・黄銅管製造のエムチューブ、加工賃キロ60円引き上げ
関西地区の銅管・黄銅管メーカーのエムチューブ(本社・大阪府羽曳野市、社長・市原正樹氏)は11月納入分より、主力製品であるC2700Tのロールマージン(加工賃)をキロ当たり60円引き上げる。ロールマージンの改定は昨年8月以来。諸経費や副資材価格の急騰などが理由。C2700T以外の生産品目については、個別交渉により加工賃改定を実施する。 同社は非鉄流通大手、市原金属産業(名古屋市)のグループ会社で、国内唯一の黄銅素管専業メーカー。前身は関西伸銅工業。C2700Tを主力に月産150トン程度手掛ける。昨年10月には経営の効率化を加速させるため、同じグループ会社で銅・銅合金伸管メーカーだった旧エムチューブを経営統合し、新生「エムチューブ」として再スタートを切った。 同社によると前回加工賃を改定して以降、物流コストや人件費が一層高騰していることに加え、原材料価格や生産設備のメンテナンスコストも上昇している。さらに今年3月以降、サプライヤーからの値上げ要請に対応してきたが「現行の加工賃のみでは、これらのコスト上昇分を自社で吸収するのは不可能」(市原社長)と判断。やむを得ず加工賃改定に踏み切る。今回は販売価格に占める固定費の割合が高くなってきたことを理由に、金額ベースで加工賃を改定する。