最後の最後まで混戦だった日本代表争いは「1つのトリック」が明暗を分けた。「オリンピック予選シリーズ(OQS)」ブダペスト大会 男子スケートボードストリート種目
パリオリンピック予選大会最終戦となる「オリンピック予選シリーズ(OQS)」2戦目のブダペスト大会のスケートボード・ストリート種目の男子決勝が、大会最終日となる6月23日(日)にハンガリー・ブダペストにて開催された。 今大会の決勝にはマティアス・デルオリオ(アルゼンチン)、リヒャルド・トゥリー(スロバキア)、ケルビン・ホフラー(ブラジル)、根附海龍、白井空良、ブレイデン・ホーバン(アメリカ合衆国)、小野寺吟雲、堀米雄斗という顔ぶれとなった。 やはり今回の注目は日本人選手たちによる代表権争い。なお決勝前の時点で、小野寺がオリンピック出場が確定したため、残り2枠を3人のライダーで争うことになった。その上で前回オリンピック王者の堀米雄斗はこのラストチャンスを掴めるかどうか、また白井と根附は猛追を振り切れるかが最大の焦点だ。 一方で出場権争いをしていた佐々木音憧、久しぶりのオリンピック予選出場となった金メダル候補のオーレリアン・ジロー(フランス)にも注目が集まったが準決勝でいずれも姿を消した。 そしてオリンピック予選で久しぶりの決勝進出となり、出場権獲得には2位以上が必須という条件の堀米雄斗。同様にアメリカ国内での熾烈な出場権争いをクリス・ジョスリンと繰り広げており、ブレイデン・ホーバンはクリスが準決勝で敗退したため順位次第ではポイントを逆転するチャンスを得た。
大会レポート
トップバッターのマティアス・デルオリオ(アルゼンチン)は「スイッチバックテールハンドレール」、「トレフリップノーズスライド」など長身から繰り出させるテクニカルなライディングでフルメイクし、86.10ptのハイスコアでオープニングを飾った。 そして注目の代表争いをしている日本人選手からまずは根附海龍。ここでハイスコアを残し、他にプレッシャーを与え有利に立ちたいところだが、そのプレッシャーは自身にもあったか、中盤の「バックサイドクルックドグラインドノーリーキックフリップアウト」でミスし、ハイスコアはマークできなかった。 背水の陣で臨む前回オリンピック王者である堀米雄斗はこのチャンスを逃さなかった。「スイッチバックサイドリップスライド」でランをスタートしていくと「スイッチフロントサイドブラントスライド」などランセクションでの高難易度トリックをしっかり繋いでいき、ラストトリックの「ノーリーハーフキャブスイッチ5-0グラインドフロントサイド180アウト」まで完璧にフルメイクし、いきなり90.26ptをマーク。 プレッシャーのかかる立場から一転、ライバルにプレッシャーを与えることに成功し流れも引き寄せる立ち上がりを見せた。
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