【高校サッカー選手権】履正社、2年ぶりの大阪制覇に向け好発進!10番MF玉山が1G1Aの活躍で商大堺を2-0で下す
10月20日、第103回全国高校サッカー選手権大阪予選の中央トーナメントがJ-GREEN堺で開幕。このラウンドからはプリンス勢も登場。2年ぶりの優勝を狙う履正社も初戦を迎え、大阪商大堺に2-0で勝利し、中央トーナメント2回戦に駒を進めた。 【フォトギャラリー】履正社 vs 大阪商大堺 昨年は高校年代最高峰のプレミアリーグを戦っていた履正社だが、プリンスに降格して迎えた今年も残留争いと大苦戦。インターハイも大阪の8強で敗れ、この選手権で一矢報いたいところ。対する商大堺は1次予選2回戦から3試合を勝ち抜いて履正社への挑戦権を掴んだ。 2年前の選手権では初めて準決勝まで勝ち進んだ商大堺が履正社と好試合を披露。その時以来となる両者の公式戦での対戦となった。 初戦で硬さの見える履正社に対し、商大堺は互角の戦いを展開。16分にはMF10塩谷孝輔(3年)がボックス内からシュートを放つなどゴールにも迫った。しかし、スコアレスで前半も終盤に差し掛かると、先にスコアを動かしたのは履正社。31分、CKを獲得すると、MF玉山煌稀(2年)の入れたストレートボールにDF3寺澤宏太郎(3年)がドンピシャで合わせたヘディングシュートがネットを揺らした。 この先制ゴールで硬さが取れたか、その後は履正社が試合の主導権を握る。相手のマークも厳しかった左のMF11木村有磨(3年)には「(マークを剥がせるように)木村君の横についてあげるようにしていた」と玉山がフォローに入り、この2人のホットラインで好機を作っていった。 1-0のまま後半を迎えると、先にチャンスを迎えたのは商大堺。47分、左CKから相手の裏を突いて短いパスを繋いでからのクロスでゴールに迫ったが、これは決め切れず。逆にここを凌いだ履正社は直後の48分、「相手がお見合いになって流れてくると思った」と相手DFの隙を突いて抜け出した玉山がGKとの1対1になると、冷静にアウトサイドでゴールに流し込み追加点。 試合終盤を迎えると、履正社の平野直樹監督が「足も速いしジョーカーとしても面白い」と後半からFWとして投入していたDF4伊藤大成(3年)が前線で奮闘。強靭な身体を生かしてボールを収めれば、ゴールにも向かうプレーでチームを助けた。 商大堺はアディショナルタイムにCKからチャンスを作ったが、最後まで履正社守備陣を崩し切ることは出来ず。試合は2-0のまま履正社の勝利に終わった。 試合後、平野監督は「選手権初戦で子供たちも硬かったし、内容云々というよりは次に駒を進められたという事で、まずは合格。ただ、次からは雰囲気もわかったと思うので、勝敗にも内容にもこだわっていきたい」と試合を総括し、次戦を見据えた。 そして「リーグ戦で苦戦していますけど、選手権は一発勝負なので、勝てば官軍じゃないですけど、しっかり選手権を獲って、彼らの成長を加速させるような機会になれば」とコメント。 今年苦戦している原因に、"個人個人が力を出し切れていない"というような内容を挙げた玉山と平野監督。ポテンシャルはあっても力を出し切れない状況をどう打破するか。1プレーなのか、1ゴールなのか、1勝なのか。何がきっかけでチーム状況が好転するかは"神のみぞ知る"だが、「なぜかあの時は自信しかなかった」と玉山がゴールシーンを振り返ったように、この選手権という独特な雰囲気がその機会になりそうな雰囲気は十分にあった。 「優勝しかみていない」 強い履正社の復活へ、玉山が見据えるのは大阪の頂点だ。 勝利した履正社は27日に浪速と対戦する。 (文・写真=会田健司)