顧客にかなりの主導権。 割引 をいかに魅力的にみせるか激化:Fashion Briefing
期間限定割引やギフトカードが効果的
「選択的な期間限定割引は効果的だった。急がなくてはという気分にさせて顧客の購買意欲を刺激したことが主な理由だ」と、データ分析会社グローバルデータ(GlobalData)の小売アナリスト、ニール・サンダース氏は述べている。「オールドネイビー(Old Navy)では、パジャマのような人気アイテムに、期間限定の注目のディスカウントがあった。一部の小売業者は、一定額以上の購入で割引や無料のプレゼントを提供したが、おそらくは販売数量と取引金額を増やすための戦略だったと考えられる」。 これに関連し、アナリストによると、リピート購入を促進する目的で小売業者がギフトカードを提供するケースが増えているという。ラグジュアリー小売店のサックス・フィフス・アベニュー(Saks Fifth Avenue)は、ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)、ザ・ロウ(The Row)、コーチ(Coach)などのブランドの衣料品を最大50%オフで販売した。さらに、200ドル(約2万9000円)の買い物をするごとに、顧客はコードを使って50ドル(約7400円)の割引を受けることができた。サックスはまた、ブラックフライデーの週末スペシャルとして、150ドル(約2万2000円)以上の購入で75ドル(約1万1000円)のギフトカードを提供している。サックスのBFCMの業績に関するコメントは得られなかった。 ジュエリーブランドのケンドラ・スコット(Kendra Scott)のチーフマーケティングオフィサー、ミシェル・ピーターソン氏は、「今年は、店頭とオンラインでの戦略的な取り組みを通じて、魅力的なディスカウントや最大40%の割引率を誇るベストシーズン商品、限定の特価商品を提供した」と述べた。同氏によると、ベストセラーのイヤリング、ミッキーフープ(Mikki Hoop)は記録的な売れ行きを見せ、特価商品が発売されたサイバーマンデーの午前9時には複数の商品が完売している。たとえば、人気のエリサペンダントネックレス(Elisa Pendant Necklace)は25ドル(約3680円)だった。「トラフィックは2桁の伸びを示し、昨年を上回るという予想以上の結果だった」。 またピーターソン氏は「顧客は(ホリデーショッピングの週末の)かなり前から、サイバーマンデー前の10日間を通してホリデーショッピングを開始したことがわかった」とも付け加えている。ケンドラ・スコットの売上高は、2023年1月までの直近の会計年度で4億ドル(約588.8億円)を超えている。