顧客にかなりの主導権。 割引 をいかに魅力的にみせるか激化:Fashion Briefing
割引前の金額に気づき、賢明な購買決定をする買い物客
例年BFCMの勝者に名を連ねるAmazonのデータによると、今年のBFCMの週末に、世界中の顧客がマーケットプレイスで10億点以上の商品を購入し、Amazonが毎年開催する11日間のお買い得セール期間中に買い物客は昨年より70%近くも節約をした。しかし一部の顧客は、各プラットフォームの加盟店がより大幅な割引を促進するために、このショッピングイベントの前に価格をつり上げていることに気づいており、それが信用を低下させている。その結果、特にお買い得品を求める若い買い物客は、より賢明な購買決定を下すようになっている。 TikTokでは「#blackfridaydealsnotworthit(ブラックフライデーの割引には価値がない)」というハッシュタグが7110万回再生され、毎年恒例のこのショッピングイベントが以前とは違うことに幻滅している買い物客の様子を映した動画が多く見られた。顧客が5ドル(約740円)のタグをはがすと、以前も同じ価格かそれ以下だったことが判明するという動画がプラットフォーム上を駆け巡り、平均250万ビューを記録している。 「小売業者はさまざまなプロモーションを実施しているが、そのすべてが顧客にとって本当のお買い得品と認識されていない」と、DHRグローバルのグローバルコンシューマー&リテール担当マネージングパートナー、クリスティ・ルブラン氏は言う。グローバルリーダーシップ&エグゼクティブ・サーチアドバイザリー会社である同社のクライアントは、非上場の中堅企業から数十億ドル規模の上場企業まで幅広い。「小売企業は消費者の取引を促進すべくさらに努力している」。
生成AIの活用で消費者はさらに賢くなる
新たな戦略的な取引のいくつかは、定期的に割引を組み合わせたり、購入を促進するためのポイントを提供したりしているテム(Temu)やシーイン(Shein)のようなファストファッションアプリから学んだ行動である。また、BlackFriday.comなどのサイトやソーシャルメディアを通じて入手可能なお買い得品に関する透明性が高まったため、顧客はそうしたBFCMシステムを利用するようになっている。 「消費者は価格追跡に関して非常に洗練されてきている」とパンディヤ氏は述べた。「消費者はTikTokやインスタグラムに多くの時間を費やしているので、インフルエンサーからアドバイスを得たり、『ベストプライス』をうたう広告を数多く目にしたりしている」。顧客はまた、もっともお得な商品を見つけるためにウェブサイトやアプリで割引を比較している。 こうした状況は、顧客が既存のツールを超えていくにつれてさらに洗練されていくだろう。「より多くの消費者が購入過程で生成AIを活用し、さらにプレミアムなラグジュアリーブランドの代替品を求めるようになる。顧客はより安価なデュープや代替品を求めるようになるかもしれない」とパンディヤ氏は言う。「また、さらに高度な検索の実行にも使用できる。(たとえば)生成AIに予算を与えて商品を提案してもらうことも可能だ」。大手検索会社は、これを可能にするために投資している。11月上旬、Googleはサーチジェネレーティブエクスペリエンス(Search Generative Experience)を拡張した。これによってAIを使ってオンラインでの買い物の相互参照が容易になる。