【金沢ポート】遊学館高・鈴⽊柊平獲得秘話 西東輝監督の心を動かしたインターハイでの一戦
金沢ポート代表兼監督の西東輝です。 「石川県の卓球を盛り上げるにはどうすればいいのだろうか?」 これは、私がここ5年以上も考え続けてきた人生のテーマです。 石川県で卓球を生業としているからこその問いかけかもしれませんが、それ以上に、卓球の魅力をもっと多くの人々に伝えたいという純粋な思いが根底にあります。
初期構想は「地域密着」 今季は遊学館高校主将・鈴木柊平と契約
金沢ポートの初期構想は、「地域密着」を掲げ、地元ゆかりの選手たちを中心にチームを構成し、地元の皆様に応援していただけるようなチームづくりを目指していました。 石川県で卓球に励んでいれば「金沢ポートに入れる」という夢を県民に持ってもらうことが重要だと考え、初年度から石川県内の高校生や中学生とも契約を結んできました。 金沢ポート初年度は高校生の薜大斗選手(遊学館高校)、中学生の平塚健友選手(遊学館ジュニア)と契約。 2年目の今季は新たにインターハイで活躍した高校生の鈴木柊平選手と契約しました。 現状では私の母校である遊学館関係の選手が多いですが、実力が伴えば他の学校の選手も獲得したいと常に考えています。 また、子供たちが「金沢ポートに入りたい」と憧れるようなチームづくりが必要だとも考えています。ただ強いだけでなく、強くて正しいチームでなければ、誰も自分が入りたいとは思わないでしょう。
鈴木柊平を獲得して良いのか 監督としての葛藤
昨年の時点で、薜大斗と鈴木柊平の実力はほぼ互角でした。それならば、生まれも育ちも石川県である薜を選ぶべきだと初年度は決断し契約しました。 しかし、鈴木のプレースタイルにはプロ向きのポテンシャルがあり、彼の性格もファンサービスを積極的に行い、見られることを楽しむというプロにふさわしいものであることがわかっていました。 とはいえ、鈴木の高校卒業後の進路が一般企業への就職であることを聞いていたため、私はためらいました。 大学に進んで卓球に励むわけでも、日本リーグに加盟する企業に入るわけでもなく、仕事に専念しながら卓球を続けると決めた彼を、Tリーグという舞台に誘うことが正しいのかどうか。 3月ごろからこの問題を一人で悩み続けました。彼の人生に大きな影響を与えることになるのではないかと。