相次ぐ“殺傷事件”…背景に社会不満 SNSに労働者の“抗議デモ”投稿 中国
日テレNEWS NNN
今年、各地で“殺傷事件”が相次いだ中国。いま、SNS上に労働者による抗議デモの様子が多く投稿されています。厳しい言論統制が敷かれている中国国内で、何が起きているのでしょうか。 ◇ 20日、マカオ返還25周年の式典に出席した中国の習近平国家主席。 中国 習近平国家主席 「強国の建設はすでに壮大に展開されており、非常に輝かしい未来も現れている」
中国の発展を強調しました。しかし、その未来にいま、暗い影が差しています。 11月には、広東省で男が車で次々と人をはね、35人が死亡した事件が起きました。9月には、深センで日本人の児童が男に刺され死亡するなど、中国では殺傷事件が相次いでいます。 こうした事件の背景として指摘されているのが、中国経済の悪化による社会に対する不満の高まりです。取材すると、人々の切実な叫びが聞こえてきました。
渡辺容代記者 「仲介業者のもとに、職探しに来た人が集まっています」 上海に隣接する江蘇省の昆山は、職業あっせん業者が集まる町です。寒空の下、荷物を持って地方からやってきた多くの人が、仕事を探していました。 職を探す人 「(仕事が)つらいのは耐えられるけど、2~3か月たつと給料をすごく下げられるんだ。割に合わないと思って辞めて、また仕事を探すことになる。とにかく景気が悪いよ」 職を探す人 「例年この時期、企業はたくさん人を募集していたけど、今年はあまりない」 “労働環境が悪い”と話す人や、“求人そのものが少ない”と話す人。
仕事で採用されなかったという男性は、仲介業者に不満をぶつけていました。 職を探す人 「クソ!もう話がつきそうだったのに、仕事がなくなったよ! 誰でも怒るでしょう、メシの種がなくなったんだ。(採用担当者を)刺してやろうと思ったよ!」 仲介業者 「選ぶのは向こうだ! 何をしてほしいんだ?」 職を探す人 「…弁償」 仲介業者 「なんで向こうがお前に弁償しないといけないんだ! 働いてもいないだろう!」 仕事が取り合いとなる中、職業のあっせんや契約をめぐり、トラブルが絶えないといいます。