「ミラノ」と発表から5日で車名変更したアルファロメオ「ジュニア」! 謎の事件の「裏側」
アルファロメオの新SUV「ミラノ」→「ジュニア」の改名劇
ここ数日ネットの世界で、アルファロメオ・ジュニアについて取り沙汰されてるのを目にする機会が増えてるんじゃないかと思う。理由はとてもシンプル。認証前の生産型プロトタイプの段階ではあるのだが、ジュニアの国際試乗会がイタリア本国のテストコースで行われ、ほぼ同時期にこれまで公開されてなかったジュニアに関する詳細が明らかにされたからだ。 【写真】どの角度から見ても格好いい! アルファロメオ・ジュニアの画像(全23枚) アルファロメオ初のピュアなバッテリーEVとマイルドハイブリッドの2本立て。メディアが触れることができたのはバッテリーEVの高性能版“ジュニア・ヴェローチェ”のみだが、従来はラインアップにあったミトやジュリエッタなどコンパクトなサイズをしたアルファロメオの再来のようなもの。不思議なことに黙って注目を浴びてしまいがちなブランドではあるのだが、世界のジュニアへの関心は高いようだ。 ジュニアはもともと、“ミラノ”という名称で今年の4月10日に正式発表されたモデルだった。にもかかわらず、それからわずか5日後に車名がジュニアへと変更されることになったのは、皆さんの記憶にも新しいことだろう。斬新といってもいい印象的なスタイリング、そしてブランド初のピュアEVということで話題になったのに、前代未聞の出来事でさらにクルマ好き達の耳目を集めてしまったわけだ。 アルファロメオの公式発表によれば、改名の理由は“ミラノという名前の使用について、イタリア政府より法律で禁止されているとの通達があった”から。現地の同業の知人によれば、その通達は“ミラノ”の発表会の模様が世界に向けてオンラインで流された、わずか数時間後のことだったらしい。 アルファロメオがニューモデルの名称を“ミラノ”とすることは2023年末から正式にアナウンスしていたにも関わらず、発表したあとに横やりを入れてくるなんて、イタリア政府がボケてたのか、それとも何かのイジメなのか。いずれにしても、“何だそりゃ?”なお話である。 どうやら「ポーランドで生産されるクルマなのに“ミラノ”と名乗るのは法律違反だ」というのが政府側の論旨で、たしかにこのニューモデルは、アルファロメオが属するステランティスグループ内のプラットフォームを共有するモデルたちと同様、ポーランド工場で生産される。そしてイタリアには、“イタリアの製品だと誤解させる表示を禁じる”という法規制があるようだ。