進化する「半沢直樹」今シリーズ成功で待ち遠しい次回
歌舞伎俳優の妙味とともに見逃せない女優陣の活躍
「演出がいささか過剰では、との声も多少あるようですが、もともと地味なビジネス世界での話。演出でいかに盛り上げ娯楽として成立させるかが製作側の腕の見せどころです。中途半端にやるよりは、歌舞伎役者を揃え思い切って芝居させたことが功を奏しましたね。笑えるけれども、やはり根底はシリアスなんです。けっしておふざけではない。そのさじ加減が妙味でしょう。さまざまな立場の人間が複雑に絡み合う物語なのに、演出と演技のおかげで、誰がどんなことを思って行動している人物なのかがわかりやすく伝わる効果もあったと思います」とは、小劇場演劇の50代男性関係者。
また、女優陣を評価する声も。 「まだまだ保守的で男社会のイメージが濃厚な銀行や政治の世界の話ですが、国土交通大臣役の江口のりこ、ワケありの過去を持つ小料理屋の女将役の井川遥、開発投資銀行の次長役の西田尚美、要所要所で出てくる半沢の妻・花役の上戸彩と、女優陣もそれぞれのポジションでドラマを支えていましたね。とくに江口さんの演技は半沢たちの活躍を大きく左右する重要な役柄と相まって強く印象に残りました」と称賛するのは、スポーツ紙の50代男性記者。 最終回では、中野渡頭取が半沢に将来を託していることが明確な形でわかった。こうなってくると、第3シリーズへの期待がふくらむ。再び半沢に会える日はいつか。そのとき、世の中はどうなっているだろうか。 (文:志和浩司)