42歳で「住宅ローンを完済した」という高校時代の友人。やはり「繰り上げ返済」したほうがお得なのでしょうか? これから子どもの「進学資金」も必要なので、貯蓄が減るのが不安です
友人が繰り上げ返済をしていると聞くと、「自分も繰り上げ返済した方がいいのかな」と気になる人は多いでしょう。確かに住宅ローンを完済できると心にゆとりが生まれると考えられますが、では、そのために繰り上げ返済することは、普通に返済するよりもお得なのでしょうか。 本記事では、繰り上げ返済の仕組みや利息軽減効果について解説します。ぜひ参考にしてください。 ▼がんの発覚で「住宅ローン」がチャラに!? その驚きの理由を解説
そもそも繰り上げ返済とは
繰り上げ返済は、毎月の返済額と別に、まとまった額を返済し、借入総額を予定よりも早く減らす返済方法です。この繰り上げ返済の大きな特徴は、返済の金額を「元本の返済のみに充てることができる」点にあります。つまりその分、将来支払うべき利息を少なくできるため、住宅ローンの総支払い額を軽減することが可能です。 なお、繰り上げ返済には「全額繰り上げ返済」と「一部繰り上げ返済」の方法があります。 「全額繰り上げ返済」は住宅ローン返済期間が終了する前に、全ての残高を繰り上げて完済してしまう方法です。「一部繰り上げ返済」は完済ではありませんが、返済期間中にまとまった金額を繰り上げて返済するもので、次の2つの方法があります。 ■返済期間短縮型 毎月の返済額は変わりませんが、返済期間が短くなる返済方法です。短縮された期間分の利息を軽減する効果があります。利息軽減の効果は、次に紹介する返済額軽減型より大きいです。 ■返済額軽減型 返済期間は変わりませんが、毎月の返済額が減る返済方法です。全期間の元本の一部を前倒し返済できるため、それに応じて支払う利息総額が減ります。返済期間短縮型の方が利息軽減効果は大きいですが、返済額軽減型は毎月の負担額を軽減することができます。
繰り上げ返済の効果
例として、借入額3000万円、返済期間35年、全期間固定金利1.5%の条件で住宅ローンを組んでいるケースにて、繰り上げ返済の効果を確認してみます。 住宅ローン控除の適用期間である13年が経過した後に300万円の繰り上げ返済を実施したと仮定し、繰り上げ返済は期間短縮型を選択したとすると、繰り上げ返済による支払利息の軽減額は105万5400円です(繰り上げ返済に係る諸費用は考慮していません)。 なお、繰り上げ返済による総支払い額の軽減効果は、借入金利が高いほど大きくなります。