42歳で「住宅ローンを完済した」という高校時代の友人。やはり「繰り上げ返済」したほうがお得なのでしょうか? これから子どもの「進学資金」も必要なので、貯蓄が減るのが不安です
繰り上げ返済の注意点
繰り上げ返済を行う際の注意点を紹介します。 ■手元資金が大きく減少する 一度返済したお金を手元に戻すことはできないため、繰り上げ返済の実行は慎重に行う必要があります。繰り上げ返済後に予期せぬ大きな支出があった場合、とたんに家計が圧迫される可能性があります。 ■団体信用生命保険(団信)が消滅する 団信は、住宅ローン債務者が返済期間中に死亡または高度障害状態になってしまった場合などに、その保険金によって住宅ローン残高が完済される保険です。仮に団信の保険金が支払われることになった場合、繰り上げ返済を行わずに手元にお金を残しておいた方が金銭的メリットがあるといえるでしょう。 ■住宅ローン控除の適用を受けられなくなる 住宅ローン控除を受ける条件の1つが、返済期間が10年以上であることです。仮に期間短縮型の繰り上げ返済を行い、返済期間が10年を下回る場合には、住宅ローン控除の適用を受けられなくなります。 また、住宅ローン控除の控除額は、年末の住宅ローン残高に対して控除率をかけて計算されます。そのため、繰り上げ返済に伴うローン残高の減少により、控除額も減少してしまいます。
まとめ
繰り上げ返済は金銭的メリットが存在しますが、注意点も存在します。住宅ローン控除や団信を念頭に入れた上で、繰り上げ返済を検討してみてください。 出典 国土交通省 住宅ローン減税 執筆者:小林裕 FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート
ファイナンシャルフィールド編集部