「母親の言う通りの人生に後悔」“毒親”に悩んでいる人が、まず気づくべきこと
家族が自分の意見を聞いてくれない…
自分の意見を否定されると、人はどうしてもネガティブになってしまします。特に家族との関係で、自分の意見が通りにくいと感じている方はいませんか? 今回は、2万人以上のカウンセリングを行ってきた公認心理師の大野萌子さんの著書『ネガティブな自分のゆるし方』(クロスメディア・パブリッシング)から一部抜粋して、「なぜ自分の意見が通りにくいのか」「どうすれば相手に受け入れてもらえるのか」 といった疑問に答えます。 「頑張りなさい」と言われ育った子どもの末路…その悲劇的な結末から学ぶ、親がやるべきこと 今回は、親子関係にネガティブな悩みを抱えるケースに焦点をあててご紹介します。
自分の意見を聞き入れてもらえない
「子どもの頃から母の言うことは絶対。習い事、進学、就職など、これまで何もかも母の考えを元に決めてきた。母のことは嫌いではないが、大人になっても自分の意見は通じず、結局親の言う通りに生きてしまっている」
親にとって、子どもは「自己肯定感を高められる存在」
過干渉、抑圧、依存、束縛などの行為により、子どもに悪影響をおよぼす「毒親」という言葉は、1990年頃から使われています。 私も何万人ものカウンセリングをしてきましたが、人知れず親子関係にネガティブな悩みを抱える人は多く、他人同士の人間関係より根深い問題です。 「嫌いではないけど苦しい」理由は、親が自分の思い通りにしようと「支配」する傾向があるからです。 能力や知識、知恵がじゅうぶんでない子どもは、親に頼るのは当たり前のことです。大人へと成長していく過程の中で、親にコントロールされたとしても、子どもでは自分の力で反発するのは簡単ではないでしょう。 しかし、成長過程で親からの支配を断ち切る「反抗期」は誰にでも訪れます。 反抗期が起こるのはごく自然なことで、大人としての自立心が芽生える第一歩です。しかし、なかには「反抗期がなかった」、もしくは「あったとしても親との依存関係が払拭できなかった」場合、大人になっても支配される親子関係が続くケースがあります。 このタイプの親は、「夫から否定される」「社会に必要とされていないと感じる」など、子ども以外から存在を認めてもらう場所がない可能性が考えられます。 すると、自分の言うことに反抗せず従ってくれる子どもは、自己肯定感を高める存在へと変化してしまうのです。 大人になっても親に意見ができない、親のいいなりになってしまう、それをつらいと感じている人は、まずは親子の間に「支配と従属の関係」が続いていることに気づきましょう。