JR東日本の新「Suicaアプリ」でめざす「Suica経済圏」拡大構想とは。コマース領域ではEC・OMOもサービス拡充
進化した「Suica」が提供するサービス体験構想のグランドデザインでは、コマース領域についても触れている。「Suicaアプリ」を軸に、ECでは商業施設連携などを通じて駅・店舗受け取りなどを提供。OMO分野ではモバイルオーダーや駅商圏の各種サービス予約などを提供していく。また、ECの購入履歴と駅の改札タッチを連携させ、タイムリーな配達予約の展開なども検討しているようだ。
数値目標としては、2033年度における生活ソリューションの営業収益・営業利益を2023年度比で2倍にすることをめざす。2023年度の生活ソリューションにおける営業収益は8470億円、営業利益は1703億円だった。 JR東日本では2016年に共通ポイント「JREポイント」を発足、「Suicaポイントクラブ」「ビューサンクスポイント」など各サービスでわかれていたポイントプログラムの共通化を進めた。 最近では、5月からネットバンク「JRE BANK」を開始した。利用状況に応じた特典内容の豪華さなどが話題となった。5月末には首都圏の私鉄ら8社共同で2026年度末以降、磁気乗車券からQRコードを使用した乗車券への置き換えを行うと発表している。一方で交通系ICを取り巻く環境として、九州・熊本の路線バスなどでは機器費用負担の問題で全国交通系ICカードのサービスを2024年内に撤退するという動きもある。