『電車男』誕生から20年「秋葉原のオワコン化」が止まらない虚しすぎる理由…池袋に「オタクの街」の座まで奪われて
オタク文化は池袋へと移り…
むしろ、オタク文化は秋葉原以外の街のほうが盛り上がっているようだ。その筆頭が池袋だろう。 2023年春にリニューアルされた「アニメイト」本店は、オタクから家族連れまで多くの人でにぎわう観光名所となった。また「池袋ハロウィンコスプレフェス」は日本最大級のコスプレイベントとして定着している。対する秋葉原では、池袋に比肩するような大規模なイベントが開催されていないのである。 筆者はかつて美少女ゲームを買うために秋葉原に何度も通ったし、コミケ帰りにオフ会に参加してきた思い出があるので、秋葉原からオタクのイメージが消えつつあることに寂しさを覚える。 しかし、肯定的にとらえれば、そうした変化も秋葉原らしいといえるかもしれない。森川氏ら多くの研究者が述べているように、秋葉原は時代によって町のイメージが変わり続けてきた歴史があるのだ。 闇市が催されていた時代もあれば、家電製品、パソコン、オタク文化……などなど、世代によって様々なイメージを持っているのが秋葉原なのである。現在の秋葉原は“インバウンドの町”なのかもしれない。 そして、10年後の秋葉原はどんな町に変わっているだろうか。昨今、昭和・平成レトロがブームになっている。個人的にはもう一度、美少女ゲームの文化が盛り上がり、2000年代のような秋葉原が出現してほしいと願うのであるが。 【こちらも読む】『“ガンプラ”以上にガンダムだ…「これ本当にレゴでつくったの?」制作費30万円の「リアルガンダムの正体」』
山内 貴範