逮捕後に不倫相手に届いた手紙には「一分一秒でも早くあなたの元に帰ります」 妻子殺害などの罪で無期懲役の判決を受けた男 裁判で明らかになった殺害の経緯と動機
女性は、渡辺被告が本当に離婚をするのか不安になったため、「年内に離婚の話が進んでいなければ、諦めてこの関係は終わる」と告げました。 検察官:「それに対して被告は何と言いましたか?」 女性:「”1年以内に奥さんとの関係をはっきりさせるまではいかなくても、話はする”と」 しかし、後日、渡辺被告から「離婚話がなかなか進まない」と伝えられます。 女性:「離婚について話はしてるけど、(奥さんは)まだ私との関係が続いていて離婚の話をしてるんじゃないかと考えていて、話が進まないと言われた」 ■離婚話は進まず不倫関係は継続 妻と娘が殺害された日も密会を 渡辺被告が妻子を殺害したのは2021年の11月7日。その日の未明も、渡辺被告は女性にメッセージを送っていました。 ▼11月7日 午前1時27分 渡辺被告→元不倫相手 「今から行きます」 ▼11月7日 午前4時頃 元不倫相手→渡辺被告 「もっと一緒にいたいって言ってくれるのすごく嬉しい」 この約6時間半後、渡辺被告は妻と長女の首を絞めて殺害したということです。 判決では、殺人に関する次のような事実が認定されました。 妻は、婚姻後、間もなくして被告人による不倫や預金の使い込みがありながらも、変わらず夫婦であり続けようとし、長女の誕生後はひたむきに育児に励みつつ、新居で被告人と共に新生活を始めた矢先、被告人に裏切られ、最期は長女の目の前で命を奪われた。 愛する我が子を育てることも、その成長を見届けることもできないまま命を奪われた無念さは察するに余りある。 長女は、当時1歳になったばかりで、周囲から愛され、本来父親である被告人に庇護されるべき立場にあったのに、その被告人から突然殺害されたものである。 妻の悔しさ、無念さ、悲しさ、絶望は筆舌に尽くし難いものといえるし、長女の死も痛ましいというほかない。 殺害の態様は、ロープを用いて2名を手早く絞め殺すというものであった。 被告人は、まず妻に対して、背後から近づいて突如首にロープをかけ、これを外そうともがく妻の抵抗を排して2、3分絞め上げ、ぐったりとして鼻から血が出ていたにもかかわらず、手が震えているように見えたため、まだ息があると考え、 再度首を絞め上げて、完全に動かなくなったことを確認した。 続けて、妻を起こすようにその肩辺りをたたく長女を見て、その首にロープをかけて絞め始め、眼前で苦しそうに泣く姿にも構わず、2、3分間力を緩めず絞め続けた結果、泣くこともできなくなってぐったりとしたにもかかわらず、鼻提灯が膨らんでいるのを見てまだ息があると考え、再度首を絞め上げて、完全に動かなくなるまで続けていた。