【高校サッカー】静岡学園が連覇に王手…MF篠塚怜音の3戦連続先制弾が火付けとなり6発…全国選手権県大会準決勝
◆サッカー◇全国高校選手権静岡県大会 ▽準決勝 静岡学園6-1飛龍(9日・エコパ) 準決勝が行われ、静岡学園と浜松開誠館がファイナルに進んだ。静学は前半28分のMF篠塚怜音(れお、2年)の3戦連続先制ゴールで主導権を握ると、計シュート13本で次々と加点。飛龍を6―1で下した。浜松開誠館はセットプレーから2点を奪い、藤枝明誠に2―1で勝利。静学の2連覇か、開誠館の2年ぶりVか。決勝戦は16日午後1時からエコパで行われる。 **** 怒とうのゴールラッシュの先陣を切ったのは、2年生の司令塔だった。静岡学園MF篠塚が、前半28分に先制点をたたき出した。相手DFからのクリア球を拾って右足で一振り。「相手ディフェンダーを外してシュートした。ボールの勢いはちょっとなかったけど、いいコースに飛んでくれた」と、笑顔で振り返った。 チームの火付け役だ。初戦の日大三島戦、準々決勝の清水桜が丘戦に続き、3戦連続で先制V弾。「序盤は相手のロングボールやロングスローに苦しめられたけど、先制点を取れて楽になったと思う」。FW乾晧洋(3年)の2発なども飛び出し、6発爆勝で飛龍を粉砕した。 夏から台頭してきた攻撃的中盤。「篠塚が入って点が取れているのは大きい。今季はプレミアリーグでなかなか点が取れなかったから」と、川口修監督(51)が孝行息子の出現を喜ぶ。ジェフ千葉の下部組織出身でユースにも受かったが、2019年度の日本一を見て静岡学園に入学した。 昨年の県選手権前には一度Aチームに入ったが、大会はベンチを外れた。その後、腰の疲労骨折で2か月半ほど練習できず、ショックが重なった。「完全に力不足だった」。中盤選手としてボール保持と奪うスキルを身につけた。トレーナーの助言で体幹トレを増やして当たり負けしない体をつくった。 大会ここまで3戦4発。3戦17発と爆発力ある攻撃陣を引っ張る。大会得点トップは藤枝東FW湯山大輔(3年)の5点で、あと1と迫る。「ちょっと意識します。決勝でも先制点を取りたい」。乗ってる男が、新人戦、総体に続く3年ぶり県3冠への使者となる。(塩沢 武士) 〇…9年ぶりに臨んだ準決勝で飛龍は大敗に終わった。それでも6点を追う後半32分、途中から前線に上がった182センチの大型DF渡辺優来(ゆら、3年)が意地の一撃。「なにがなんでも1点取りたかった。このゴールが来年につながれば」と後輩たちに期待した。伝統校の藤枝東を破るなど旋風を起こし、菊川達也監督(46)も「エコパで初めて得点できた。次は勝つことを目標にしたい」と前を向いた。
報知新聞社