日銀・黒田総裁会見9月21日(全文1)市場調節方針現状維持に片岡委員は反対
木内元委員の「現在の日銀は2%達成の物価至上主義に陥っている」という批判について
テレビ朝日:テレビ朝日の〓マツモト 00:16:26〓と言います。2点、お願いいたします。まず物価目標の2%についてなんですけれども、これまでも大きく3つの理由から日銀が2%を掲げているということは重々認識していますが、7月に審議委員を退任された木内さんは最近の報道各社のインタビューで、現在の日銀は2%達成の物価至上主義に陥っていると批判されています。当然ながら異次元の緩和を長く続けることは副作用もその分、膨らんでいくわけなので、何がなんでも2%にこだわるのではなく、金融緩和の軌道修正を図る道もあると思いますが、いかがでしょうか。 もう1点、またそうした軌道修正を求める声もある中で、今回の片岡氏のようにまだ緩和効果が不十分だと、逆に背中を押すような意見が出てきたことに不安も感じるのですが、このブレーキ不在の日銀という状況を総裁はどうお考えでしょうか。 黒田:私は前段のご質問については、まったく意見を異にしておりまして、2%の物価安定の目標っていうのは、これは2013年の1月の政策委員会で決定し、それが政府と日本銀行の共同声明にも盛り込まれているわけでありまして、2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するということは、日銀法に定められております、物価の安定という日本銀行の重要な目標の実現形態でありますので、2%の目標を変えるとか、放棄するというようなことは適切でないというふうに思っております。 それから今回の片岡委員の意見につきましては先ほどご紹介したとおりでありまして、いずれにいたしましても9名の政策委員の方々が、さまざまな意見を述べられて活発な議論を行われるということは大変結構なことであり、これまでもそうでしたし、今後ともそういった議論を踏まえて、多数決によって金融市場方針を、調節方針を決定するということでありますので、何かご指摘のような不安とか、そういったものはまったく感じておりません。 【連載】日銀・黒田総裁会見(2017年9月21日) 全文2へ続く