日銀・黒田総裁会見9月21日(全文1)市場調節方針現状維持に片岡委員は反対
緩和強化の是非も含めて、2%目標への道筋をあらためて説明してほしい
時事通信:時事通信の〓タカハシ 00:08:45〓と申します。2問お願いいたします。幹事の質問とほぼ同じなんですけれども、イールドカーブ・コントロールから1年の中で、国債市場の機能低下といった副作用を指摘する声も多いんですけれども、そういった課題についてのご所見をあらためてお伺いしたいのが1点目。 2点目についてなんですけれども、片岡委員のご意見というのは、おそらくより強固な緩和策の必要性を指摘されたということだと思うんですけども、足元の物価の弱さと、19年度という目標の達成時期をかんがみると、正しい反対のようにも見えます。緩和強化の是非も含めて、2%目標への道筋をあらためてご説明いただけますでしょうか。 黒田:まず国債市場の機能という問題につきましては、もとより、私どもも常に関心を持って見ておりまして、さまざまな指標を見ますと、このところむしろ国債市場の流動性は高まっておりまして、特に流動性が低下したり、板の状況が薄くなったりというようなことになっておりません。ですから客観的な指標で見ますと、むしろ国債市場の機能はここのところ改善してるようにも見えるんですけれども、他方で、国債市場関係者のアンケート調査によると、機能が低下した状態が続いているというような意見が寄せられているようでありまして、若干、客観的な指標と市場の関係者の考え方とにずれがあるように思えるんですけれども、いずれにいたしましても、引き続きさまざまなチャネルを通じて、国債市場の機能の状況については、十分、注視し、注意してまいりたいと思っておりますけど、今の時点で何か問題が生じているというふうには思われません。 それから、片岡委員の意見につきましては、先ほど申し上げた公表文に示されておりますような意見を言われて、反対票を投じられたわけでありますが、それ以上に詳しくどういった趣旨でとか、ほかの委員の方の反応はどうだったかとかそういったことは、やはり主な意見、それから特に議事要旨、それから最終的には議事録という形で公表するルールになっておりますので、それ以上、詳しくは申し上げませんが、金融緩和自体について、この公表文でもございますように、引き続き粘り強く、緩和を続けていって、2%の達成を図るということでありますし、また公表文にもありますとおり、今後とも、経済・物価・金融情勢を踏まえて、物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するため必要な政策の調整を行いますということですので、必要があればさらなる緩和も行いますということを示しているということであります。 朝日新聞:はい。