国家試験に合格した安藤なつ「自分の介護経験の答え合わせをするみたいで面白かった」ヤングケアラーへの思いも
自身の介護経験をエッセイにまとめた『介護現場歴20年。』を上梓したお笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつさん。芸人としてブレイクしながらも介護職を続けた理由や、介護福祉士国家試験の挑戦についてお聞きしました。(全3回中の3回) 安藤なつ「柔道の推薦を断り定時制高校へ」16歳で芸人目指すも30歳でコンビ解散…失意の中で現れた赤い男が人生変えた
■介護資格唯一の国家資格に42歳で合格 ── 芸人としての活動を続けながら、『介護福祉士国家試験』(*)にも合格されています。資格を取得しようと思ったきっかけは何でしたか? (*注)介護資格の中で唯一の国家資格。介護福祉士国家試験に合格し、登録を行うことで国に認められた介護職員となれる。受験には実務経験なども必要となる。
安藤さん:普段から「これまでやってきた介護の仕事の答え合わせがしたい」と感じていたんです。そんなとき、ある事業所さんと仕事をする機会があり、介護福祉士の初任者研修や実務者研修をそこで受けられると教えてもらって。「もし介護福祉士を目指すのであれば、うちの事業所でやってみませんか」と言ってくださったので、すぐに申し込みました。翌年に受験しようと思い、すぐに勉強を始めました。 ── カズレーザーさんは芸能界屈指のクイズ王として知られていますが、受験勉強に対するアドバイスをもらったりしましたか?
安藤さん:私は受験勉強の経験がなかったので、効率のいい勉強のペース配分などをカズに教えてもらいました。 試験前から逆算して、毎日の勉強時間を決めたりして。暗記に関しては、最初からもう40代だったので苦戦するだろうって思っていて。毎日毎日、過去問を解いていましたね。 ── 勉強は大変ではなかったですか。 安藤さん:いや、楽しかったですね。今まで小さい頃から感覚的にやってきたことが、知識として入ってくるのが楽しかった。自分のなかで答え合わせができたのが大きかったですね。
■介護歴20年だから言える「ヤングケアラー」への率直な考え ── 安藤さんのような関わり方とは定義が少し違いますが、身近な人の介護に関わる子どもや若者、いわゆる「ヤングケアラー」の存在が近年注目を集めています。「ヤングケアラー」に関して、どう感じていますか? 安藤さん:ヤングケアラーの方々は、本当に大変だと思います。介護では、家族の面倒を見るのが一番大変。自分も家族ではなくて、他人の介護だったからできたわけで。