ボクシング 大橋秀行会長、井上尚弥の25年以降について「米国、サウジアラビアっていう線があるのと、それが終われば皆が望む国内の大きな試合をやりたい」
プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が4日、IBF、WBO1位のサム・グッドマン(26)=オーストラリア=の挑戦を受ける4団体王座防衛戦(24日、東京・有明アリーナ)に向けた練習を横浜市の大橋ジムで公開。自身の持つ世界戦連続KO勝利の日本記録を更新する10戦連続KO勝利で、来年の海外進出へ弾みをつけることを誓った。 11月2日に先方が用意したプライベートジェットでサウジアラビア・リヤド入りし、同4日にサウジアラビア国営の国際娯楽イベント「リヤド・シーズン」と総額30億円(推定)のスポンサー契約を結んだ。グッドマン戦からトランクスのベルトラインに「リヤド・シーズン」のロゴを入れて闘う。大橋ジムの大橋秀行会長(59)は「技術で圧倒して、試合内容でそれ以降の海外、サウジアラビア(での試合)などの大きな第一歩になるような試合になると思います」と、来年に米国やサウジアラビアで闘うことに前向きな姿勢を示した。 グッドマン戦で防衛を果たせば、来年4月に米ネバダ州ラスベガスで2021年6月以来、9戦ぶりとなる海外での防衛戦が濃厚。井上は来年も3試合闘うことを望んでおり、来夏頃の日本での防衛戦を経て、来年末にはサウジアラビアで防衛戦を行う可能性がある。大橋会長は「まだ決定じゃないけど、来年、米国、サウジアラビアっていう線があるのと、それが終われば皆が望む国内の大きな試合をやりたいと思っています」と、2026年春に東京ドーム開催が有力なWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(26)=M・T=とのスーパーマッチ開催にも意欲を見せた。 海外での防衛戦を計画している理由を「それだけ求められていることなんで。もちろん、ファイトマネーも高くなるし。米国、サウジからオファーがくるのは光栄なこと」と説明した。 また、尚弥の父・真吾トレーナー(53)も公開練習前に行われた会見に出席し、「状態はすごくいいです。この間の10ラウンドのスパー(リング)も流すことなく、1ラウンド、1ラウンドしっかりと最後までできていたんで」と尚弥の状態に太鼓判を押した。 グッドマンについては「スパーのときにも言っているんですけど、向こうは結構ポイントを取るのがうまい選手だと思うんで、『ポイントは取られないで』というところで、しっかりこっちのボクシングができればと思います」と説明。「中間距離から崩し合いになるとは思うんですけど、最終的には尚弥の方がプレッシャーをかけて、詰めて、いろんなことをして崩して、流れを作っていくのかなと思います」と試合展開を予想した。
興行はNTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で独占無料生配信される。プロ戦績は尚弥が28戦28勝(25KO)、グッドマンが19戦19勝(8KO)。(尾﨑陽介)