「パリ五輪代表に同行…大きな経験」FC東京の新世代司令塔・佐藤龍之介、U―20W杯への抱負語り「まずは東京で10番背負う覚悟とふさわしいプレー」
◇新春インタビュー サッカーJ1のFC東京が、新たな節目を迎えようとしている。今季から、昨季まで新潟を率いた松橋力蔵監督(56)が新たに指揮官に就任。生まれ変わる首都クラブで期待されるのは、2028年ロサンゼルス五輪世代のMF佐藤龍之介(18)ら新世代の台頭だ。23年U―17W杯インドネシア大会に続き、9月開幕のU―20W杯チリ大会の出場を狙う新時代の司令塔に、勝負となる今年の抱負を聞いた。 -------------------------------------------------------- ─23年8月に飛び級(16歳10カ月)でプロ契約。ここまでを振り返って 「難しい世界だと分かっていたけど、なかなか簡単に試合に絡めないのがプロの世界。いろいろなことが見えてきた1年半だった。出場機会に一喜一憂せずに取り組めたことは成果だと思う。プロとして戦うメンタルとプレー面でも土台はつくれたと思う。高校生が(卒業後に)プロになってする苦労を一足先に経験できたことは前向きに捉えている」 ─昨年はパリ五輪のトレーニングパートナーとして本大会直前のフランス戦に途中出場したり、得難い経験もした 「パリ五輪代表に同行させてもらったことは、大きな経験だった。そうした経験を今後生かさなければいけないし、協会が期待して時間を与えてくれたことに対しても、これからのプレーで示していきたい」 ─年が明け、同学年もプロ入りしてくる 「もう試合に絡まないといけないし、試合に出て活躍して初めてこの1年半があって良かったと思える。プロとして年齢関係なく開幕からチームの中心を担えるようにしたい」 ─今年は9月にU―20W杯(チリ大会)も控えている 「そのころには所属チームで中心を担っていないと本大会では活躍できないと思う。U―17W杯でも世界との差を感じた。その大会直前に本気を出しても遅いので、本大会から逆算して行動したい。優勝を目指す覚悟と準備をしないと、16強すら超えられない。そのチームを引っ張る存在になりたい」 ─将来は東京の10番、日本の10番を背負うことを期待されている 「まだ日本の10番を背負うなんて、僕には言えません。まず東京で10番を背負う覚悟と、それにふさわしいプレーを見せないといけない。そこは自分の目標だし、絶対にかなえないといけない通過点だと思う。結果を出すだけでは務まらないし、自分らしさもないと着けられない番号だと思う。いつかその先で、10番を背負って代表でもプレーできればいいなと思っている」 ▼佐藤龍之介(さとう・りゅうのすけ) 2006年10月16日生まれ、東京都西東京市出身の18歳。171センチ、65キロ。FC東京U―15むさしから同U―18に昇格すると、23年3月8日のルヴァン杯1次リーグC大阪戦で16歳4カ月20日で初先発。先発では、久保建英の16歳9カ月3日を抜いてクラブの年少記録を更新。同年8月に16歳10カ月10日でプロ契約を結び、同年のU―17W杯では日本の「10番」。昨秋には、U―20アジア杯予選にU―19代表の一員として出場。U―20W杯チリ大会の出場権が懸かる同アジアカップ中国大会(2月)での活躍も期待される。 ◆U―20W杯 国際サッカー連盟(FIFA)主催の20歳以下のW杯で、今年は24チームが出場。チリ大会(9月27日~10月19日)のアジア枠は4で、U―20アジア杯中国大会(2月6日~23日)の上位4チームに出場権が与えられる。日本の最高成績は前身の1999年ワールドユース選手権での2位。直近の23年アルゼンチン大会では1次リーグ敗退。
中日スポーツ