夫婦2人、楽しい築35年4畳の「台所」。器は捨てず、過ごす時間が充実する工夫
台所は使いやすさ便利さはもちろん、好みが大きくでる場所。パン・お菓子研究家のスパロウ圭子さんの台所は、築35年で4畳ほどとコンパクト。日々料理をし、以前はパンやお菓子の教室も行っていた台所は、手を伸ばせば必要なものに届く、コックピットのような空間。その空間を、夫で切り絵作家のYUYAさんと夫婦2人で集めた民芸品が彩っています。使うのが楽しくなるキッチン収納の工夫を聞きました。 【間取り図】スパロウさんの台所
小さくても日々の生活もイベントもこなす
さっと食材を取り出し、パパッと料理し、すっと器を手にして盛りつける。圭子さんの一連の動作は、コンパクトな台所でテキパキと進んでいきます。 「小さい家ですが、ここで暮らしながら今は年一回程度、夫のイベントのときにオープンアトリエとして、お客さんを迎えることもあるんです」 台所は、圭子さんの暮らしの根幹となる場所だからこそ、どこになにがあるかがひと目でわかるように整えられています。 「狭いからこそ、扉や引き出しのあけ閉めが不要なオープン収納にしました。出し入れしやすいし掃除もラク。使いたいものに、すぐに手が届く感じがお気に入りです」 ひと目でわかるということは、常に目に入るということ。器は好きな民芸品で統一し、道具もシンプルなデザインを選んでいます。 「機能的なだけじゃなく、使って楽しい方がいい。ここで過ごす時間を充実させたいんです」 小さな台所には、自分も楽しみ、訪れる人も楽しませたいという思いが、たくさんつまっていました。
好きなものを置くため空間を効率よく活用
狭いからといって、器や道具を減らすという選択肢は、圭子さんのなかにはありません。 「好きなものを諦める気持ちにはなれなくて。壁に棚を設置したり、窓辺に収納スペースを確保したり、足元の隙間もどうにか使って、なんとか収納しています」 日常使いの器は、目線の高さに設置したオープン棚に。使用頻度の限られた道具は、高い位置の収納棚に。諦めずに効率のいい収納を考えたことで、好きなものを思う存分使える台所になっています。 日常使いの器は、調理台前のオープン棚に。 「棚板の間隔を狭くし、必要以上に器を重ねないようにしています」。 一方、ダイニングの正面にある棚は、お客さんの目に入りやすいため扉つきに。カップ類をまとめて収納。
ESSEonline編集部