全国158万5,849社の“メインバンク“調査 取引先の「増収増益」企業率は京葉銀行がトップ
メイン企業数の増加率ランキング
メインバンクの取引社数(500社以上)を前年と比較した増加率ランキングを作成した。 1位は、前年500社以下で対象外だったGMOあおぞらネット銀行が118.6%増でトップに躍り出た。2位は前年1位の住信SBIネット銀行(37.5%増)、3位に楽天銀行(14.8%増)、4位にPayPay銀行(13.5%増)が続き、ネット銀行は高い増加率を持続している。 5位にネット銀行以外の大阪商工信金(5.7%増)が顔を出す。本業支援の強化で社数を伸ばしたようだ。6位は兵庫県明石市の日新信金(5.6%増)、7位に地方銀行トップの取引社数を誇る北洋銀行(5.5%増)、8位に香川県の観音寺信金(5.2%増)、9位に八十二銀行(5.2%増)、10位に近畿産業信組(5.1%増)と続く。 ◇ ◇ ◇ 嵐の前の静けさなのか。最近は金融機関の統合ニュースをあまり目にしない。コロナ禍を経て平時に戻るなか、7月に日銀が追加利上げを決定し、円高株安が進んだ。こうした状況を背景に、今後の貸出金利の上昇や融資先の選定など金融機関の動きが注目される。 企業倒産は7月で28カ月連続の増勢をたどり、地方ほど少子高齢化、人口減少も進行している。キャッシュレス化やデジタル通貨の検討など、FinTech(フィンテック)の流れが加速し、金融機関は営業店舗の存在メリットが小さくなっている。一方で、地域に根ざした信用金庫や信組はメイン取引社数を増やしており、営業店の統廃合を進める地方銀行との二極化も進行している。 コロナ禍で過剰債務に陥った企業などのメインバンクは、事業再生の伴走支援を継続するか、別の金融機関にメインバンクを譲るのか、選択を迫られる時期を迎えている。 また、企業も金融機関に貸出金利を競わせ、低利資金を調達する手法は曲がり角にきている。 今回のメインバンク調査では、メガバンクと地域一番行の強みと同時に、2番手以下の競合が次の一手を生む可能性をうかがわせる結果となった。