築古物件の火災保険料が上昇し、新規加入も難しくなっている! 9月までに見直しの検討がおすすめ
築40年前後の「築古(ちくふる)物件」の火災保険への加入が、近年、急速に厳しくなってきています。多くの保険会社が築浅物件と築古物件の保険料率の差を広げ、築古物件の火災保険料が相対的に高くなっているからです。そこで、各保険会社の対応や築古物件の火災保険料が高くなる仕組み、実際に築年数がどの程度火災保険料に影響するかについて解説します。(ファイナンシャルプランナー・平野雅章) 2024年、火災保険料の値上げ幅が最も高いと予想される都道府県は?
築40年前後の築古物件は火災保険に入れない?
近年、ネット損保を中心に一定以上の築年数のたった築古物件では、火災保険の新規加入ができなくなってきています。 ネット損保のほとんどの会社では、築何年以上の物件が火災保険に新規加入できないかを明確にしています。以下に、その一例を記します。 ■ソニー損保 建築年が1980年以前の場合は新規加入不可 ■ジェイアイ傷害保険 築40年を超える物件は新規加入不可 (築年数が20年を超える場合は、保険期間1年で基本補償は火災、破裂・爆発のみ) ■セゾン自動車火災保険 築35年以上の物件は新規加入不可 (補償開始日が2024年10月以降の契約では築50年以上の物件は新規加入不可に変更。ただし、築35年以上は電話での申込みで物件の状態によっては加入できないことがある) これらを見ると、ネット損保における火災保険に新規加入できるボーダーラインは、おおむね築40年前後であることがわかります。 また、大手損害保険会社でも、築40~50年の物件は「状況によっては新規加入できないこともある」という取り扱いを導入した会社が増えてきているようです。 たとえば、損保ジャパンでは築40年以上の住宅用建物では事前申請が必要で、保険代理店から営業店に申請し、事故・修理歴等のヒアリングがあります。 このように、築古物件の火災保険への新規加入が厳しくなってきているのは明らかですが、築年数など具体的な制限は会社ごとにバラツキがあるため、個々に確認が必要です。 なお、築年数による制限は新規加入にのみ適用され、すでに加入している火災保険の更改は原則、制限されません。