【バスケ】石川海斗「意地でもB1に残りたい」 残留争う信州ブレイブウォリアーズに見えた成長とは
Bリーグ1部(B1)は13日と14日の両日、各地でレギュラーシーズンの第32節が行われ、信州ブレイブウォリアーズ(中地区7位)はホームで川崎ブレイブサンダース(同3位)と対戦。第1戦は82-90、第2戦は76-80と両日とも接戦に持ち込むも白星をつかむことはできず、11月5日の富山グラウジーズ戦以来のホーム戦勝利とはならなかった。 第2戦では、信州はウェイン・マーシャルがチーム最多の20得点、ジャスティン・マッツが19得点、アンガス・ブラントが14得点を記録し、チームをけん引した。 信州は現在、7勝46敗でB1残留争いの渦中にいる。リーグ最下位の富山(4勝49敗)とのゲーム差は3、残留圏内にいる茨城ロボッツ(9勝44敗)とのゲーム差は2で、B1残留を果たすためには最低でも茨城と勝率で並ぶ必要がある。残り7試合とレギュラーシーズンも佳境を迎えており、チャンピオンシップ争いも熱を帯びているが、残留争いも緊迫した状態が続いている。
大黒柱マーシャルの復調 勝久HC「影響大きい」
今シーズンの信州を振り返ると、昨季までの主力選手の多くがチームを去り、ケガ人や選手の入れ替えも多く、勝久マイケルヘッドコーチ(HC)が掲げるチームカルチャーの浸透とそれをコート上で遂行することに大きな課題を抱えていた。特に在籍6年目で、勝久HCが「世界一の選手」と評価する大黒柱マーシャルがシーズン序盤に離脱してしまったことは、若いチームの精神的支柱を失うようなものだった。 しかし、マーシャルが3月20日のシーホース三河戦から戦線に復帰すると、チームの調子が少しずつ上向く。それまでは、第4クォーター(Q)に入る前に勝負が決まってしまう展開が多かった中、第4Qの終盤まで競り合う展開が増加。今月6日と7日の群馬クレインサンダーズとの試合では、惜しくも敗れはしたものの、両試合ともにオーバータイムに持ち込む熱戦を繰り広げた。そして10日の横浜ビー・コルセアーズ戦では84-66で勝利をつかみ、連敗を18でストップ。川崎戦でも2試合ともに接戦を繰り広げており、チームが成長していることは明らかだった。 チームの成長について指揮官は「ウェインが帰ってきたことによって、もちろん周りがやりやすくなるオンコートのこともあれば、彼の姿勢、彼のメンタリティーによって、良い影響をもたらしている。今まで言い続けていてもなかなかコーナーをターンできなかった。我々のカルチャーや求めているメンタリティーに対してフィットすることができていなかった分、彼の影響は大きい。それがチームの成長につながって、チームの成長が競るゲームが増えていることに繋がっていると思う」と分析。 また山本楓己も「ウェインが帰ってきたことはチームにとってすごく大きかった。もともと信州はディフェンスのチームなのにそこができていなかったので、なかなか勝てていなかった。そこにウェインが来ただけでいろいろ正しい方向に向かっている。それが最初は勝利に結び付かなかった部分はあったが組織の成熟度はすごく高くなっていると思う」と大黒柱の存在について語っている。 実際、復帰した三河戦から8試合では平均8.0得点、フィールドゴール(FG)成功率33.3%と苦しんでいたマーシャルだったが、直近3試合では平均19.3得点、FG成功率57.9%とパフォーマンスが上がってきており、コート内外でチームを支えている。