あの予約困難店「蒼」がデザートコース&ティーペアリング専門店をオープン!
パイ生地は濱村さんのスペシャリテ。ナイフを入れるとパリパリ、サクサクと良い音が立ち、熱々のまま口に放り込むとバターのいい香りと風味に酔いしれます。ペアリングには新芽だけを集めた最上級の白茶「微酸イラム白」をセレクト。レモン水のような軽い酸が後味をすっきりさせます。
こちらは沖縄県産のフレッシュなカカオをジュレとガナッシュに仕立てた一皿。ガナッシュは生クリームとチョコレートを溶かし合わせるのがセオリーですが、濱村さんはカカオを水だけで乳化させることで、純粋なカカオの味わいを作り出しています。
カカオの果肉を抽出して作ったジュレ、本来は廃棄してしまうカカオニブの外皮であるカカオハスクを加えることでカカオの香りが口中いっぱいに広がります。さぞかし甘みが強調されているかと思いきや爽やかな甘さ。水だけで作るとこうなるのかと、その意外性に驚きます。ペアリングしたのは「日華玉露」。福岡・八女の食べられる土から生まれた玉露を台湾で焙煎した超一級品の茶葉のうまみと甘みが、カカオの風味をさらに引き上げます。
こちらは土産用に販売する佐賀の嬉野茶を使った「オペラ」です。茶葉を粉にしたり、水出しして煮詰めてシロップにしたり、香りを移したウォッカがこのケーキの中に詰まっています。「ホワイトチョコレートを使っているのでどうしても甘さが強くなる。それを抹茶の苦みでバランスを取っています」と峯村さん。そのバランスが絶妙で、もう一口、もう一口と止まらなくなるのです。
また食べたい!と思わせるデザート
26歳までフランス料理人として活躍していた濱村さんですが、半年ほどパティシエの職に就いた時に自分には菓子作りが合っていると転職。「オーボンヴュータン」の門を叩きます。3年目からスーシェフパティシエを務め、2011年にレストランデセールを学びたいと渡仏し「ステラマリス」で修業。帰国後は「ロアラブッシュ」「インフィニートヒロ」「オマージュ」と錚々たる店で腕を振るってきました。