「ミラブル」微細泡で洗浄!シャワーヘッドの革命児はなぜ生まれた? 万博の“人間洗濯機”に憧れ…娘の健康を願う父が挑んだ革新技術
会社を設立し、高性能浄水器を開発も…迫る融資の返済期限 そこに現れたのは…?
その後「すべての蛇口を浄化水にする」という目標を掲げ、水事業の会社を立ち上げた恭明。銀行から融資を受け、メーカーと協力し、想像を絶する苦労の末、年間500トンもの水を浄化する高性能浄水器を完成させます。2000年代初頭は貯水タンクの汚染が問題となっており、ペットボトルの水を買う習慣が定着してきた頃。「安全な水を求める時代」になり、成功の道筋がやっと見えてきました。 しかし、ここで億単位の融資の返済が迫っており、生きた心地がしないほど苦しんでいた恭明に、知り合いの不動産会社社長から救いの手が差し伸べられます。 しかし…融資の返済期限が迫ってきているのにも関わらず社長からの連絡はありません。期限の2カ月前、ようやく社長に呼ばれ話をすると、「支援は難しい。うちに任せろ」と言われ、初めから会社の乗っ取りが目的だったことに気づきます。結局返済はできず、会社は倒産してしまいます…。
どん底を救った1本の電話&「ミラブル」のヒントは偶然見たテレビ番組に⁉
人生のどん底に陥った恭明、そこに1本の電話が…。相手は浄水器を製造していた社長でした。あの不動産会社社長がやってきて浄水器の金型を買い取ろうとしたこと、そして金型は守り抜いたことを伝えます。裏切るのも人なら、救うのも人。支えてくれる人への恩返しのため、恭明は再起を決意します。 その後、2007年に「サイエンス」を設立。残った社員2人で細々と前会社の浄水システムを販売するも、他社の参入が一気に進んでおり、リスタートにはオリジナルの商品の開発が必要だと考えます。そんなある時…テレビを見ていると偶然、微細気泡が機械を洗浄する映像を発見するのです。 これがヒントとなり、「入浴革命」を起こすことを決意。約1年間の開発期間を経て、微細な泡で体をこすらず洗浄するバスタブ「ミラバス」が完成します。かつて万博で見て憧れた、人間洗濯機の理論がここに実現されたのです。
シャワーヘッド「ミラブル」が誕生した想定外の意見とは?
実は、先に誕生したのは「ミラバス」で、シャワーヘッド「ミラブル」が誕生したのはその8年後。きっかけは2014年、利用者に行ったアンケートでした。その中で「毎日必死に潜っています」という声を発見。なんと、女性たちはバブルの効果を顔や髪まで行き渡らせるべく、浴槽に潜っていたのでした。この想定外の意見をきっかけに、「ミラブル」が開発されたのです! 「ミラバス」は0.003mm、「ミラブル」は0.0001mmという細かい泡が毛穴に入りこみ汚れを浮かし、体をこすらずとも全身をクリーニングできます。この技術は入浴介助が大きな負担となっている介護の現場や病院の手術室前、また、火災現場でついた消防服の汚れを洗浄するなど、様々な現場で活躍しています。 数々の苦難を乗り越え、「ミラブル」を生み出した青山会長のメッセージは「人々の喜びと感動を原動力に!」 今後は宇宙空間での使用や、2025年の大阪万博ではなんと、健康状態を計測できる「ミライ人間洗濯機」を出店予定。これからもサイエンスは、「ミラブル」をはじめ、さらなる進化を遂げた商品で私たちの暮らしをより豊かにしてくれるでしょう。
番組情報
〇番組名 日経スペシャル もしものマネー道もしマネ 〇内容 『もしもの時』に備えるマネー道!マネー活用バラエティ! 〇放送日時 テレビ大阪 第1~3日曜日 午後2時放送!放送終了後はYouTubeチャンネル、TVerで無料見逃し配信中。 (まいどなニュース/クラブTVO編集部)
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