不動産取引における仲介手数料は、本当に高いのか? 手数料の値引きがリスクになる理由を解説!
不動産売買時に支払う仲介手数料が高いと思われる方もいるでしょう。仲介手数料は、取引される物件価格によって支払いも大きくなるため、負担に感じる方も少なくなく、値引きを希望されるケースもあります。仲介手数料の値引きは可能なのでしょうか。また、値引くことのリスクについても解説します。(一心エステート株式会社代表取締役:高田一洋) 大手不動産仲介は「囲い込み」が蔓延?! 売却時は両手比率が高い会社に注意を 目次 不動産仲介手数料の基礎知識不動産の仲介手数料は値引きできるのか?仲介手数料の値引き交渉のリスクと注意点不動産取引における仲介手数料は高いのか?
不動産仲介手数料の基礎知識
不動産売買取引において、不動産会社に支払う仲介手数料は、取引価格が400万円以上の物件であれば、代金の3%+6万円(税別)を上限としており、ほとんどの不動産会社が上限いっぱいの手数料を請求します。 2024年、X(旧Twitter)で、仲介手数料についてのポストが話題になりました。 不動産仲介手数料って高過ぎない? 5000万円のマンション買ったら156万円も取られるよ。それだけの価値のある業務してくれた? 156万円だよ?? ― なつき (@Xholic_natsu) March 13, 2024 5,000万円の物件の売買を手伝っただけで、150万円以上の仲介手数料を支払わなければならない…。確かに私個人の感想をいえば、正直「高い」と感じます。ネットショッピングや荷物の配送など、あらゆる手数料が無料になっている昨今、不動産取引に未だに手数料が発生するのは、疑問に思うかもしれません。 不動産取引の現場で度々話題になる仲介手数料について、その考え方や値引きについて紹介する前に、まずは仲介手数料の基本的な情報を押さえておきましょう。 不動産売買における仲介手数料 先述したとおり、不動産売買における仲介手数料は、物件価格が400万円以上の場合は、3%+6万円(消費税別)を上限とするよう宅建業法で定められています。 例えば、3,000万円の物件であれば、最大で96万円(3,000万円×3%+6万円)となります(※2024年7月1日より、「低廉な空家等の媒介特例」が施行され、800万円以下の物件は「30万円+税」が上限になりました)。 これは、売主・買主それぞれが不動産会社に支払う報酬で、売主と買主に別々の不動産会社が介在した取引を「片手仲介」、売主と買主を同じ不動産会社が仲介して契約した取引を「両手仲介」と言います。 【関連記事】>>800万円以下の物件の仲介手数料上限が引き上げ! それでも空き家流通が促進されない理由とは 【関連記事】>>不動産売買の「仲介手数料」計算シミュレーション! 早見表や税理士による注意点も解説 賃貸における仲介手数料 賃貸物件の取引でも、法律で仲介手数料の上限が定められており(居住用不動産の場合)「賃料の1カ月分」(消費税別)となっています。 ただし、賃貸に関しては、貸主・借主双方から受け取ることのできる合計の上限が「賃料の1カ月分」となっており、それぞれから1カ月分ではありません。その割合も、宅建業法(第46第4項)には承諾を得ている場合を除いて、貸主・借主で半々にするという旨の記載がありますが、実際には借主に1カ月分の仲介手数料を支払うことが慣行になっています。 (注※)賃貸においても「低廉な空家等の媒介特例」が適用されており、長期的に空き家状態の物件などについては、「1カ月分の賃料×2」(消費税別)が上限となりました。