リファレンス・ロジックツリーとはいったい何か?デジ庁作成「課題分類ツール」の凄さ
モビリティ分野のロジックツリー作成例
デジタル庁が作成した「『リファレンス・ロジックツリー』活用ガイド」では、自治体において頻繁に課題となる3つの政策分野を取り上げ、リファレンス・ロジックツリーのひな形を公開しています。 そのうち、ここでは「モビリティの維持・向上による生活環境の改善」を取り上げ、ロジックツリーが具体的にどのように組み立てられているかを具体的に見ていきましょう。 第1水準(政策分野の特定) 政策分野「モビリティの維持・向上による生活環境の改善」を設定します。 第2水準(政策のGoal) 第1水準の政策分野にひもづく3つのゴールを設定します。 ・モビリティ・サービスの生産性向上 ・モビリティ・サービスの生産性向上 ・モビリティ変革による暮らしやすい地域づくり 第3水準(各種施策のOutcome) たとえば「モビリティ・サービスの生産性向上」というゴールに対して、以下のアウトカムがひもづきます。 ・モビリティ・サービスの高効率化 ・モビリティ需要の喚起 第4水準(各施策のOutput) 一例として、以下のようにアウトカムとアウトプットがひもづけられています。 このように第1水準から第4水準へと段階的にブレークダウンしていくことで、結果的に、「高齢者、障がい者の活動範囲」などほかの政策課題との関係性も見えてくる点も、リファレンス・ロジックツリーの重要な特徴といえます。 デジタル庁はモビリティ分野に加え、医療介護現場の改善、未就学児の子育てについてもひな形を公開していますが、リファレンス・ロジックツリーの考え方自体は街づくり・教育・雇用創出・インフラ整備などあらゆる分野の課題に応用可能です。また、デジ田交付金事業が官民双方を巻き込んだ政策方針である以上、リファレンス・ロジックツリーの考え方は今後、民間企業でも一定程度、浸透していくことが予想されます。 ロジックツリーの考え方そのものは個人の目標設定や課題分析に役立つものです。リファレンス・ロジックツリーの考え方を参考にしながら、将来の夢や中長期的なライフプランについて、この機会に描き出してみるのも良いかもしれません。
執筆:堀尾 大悟、編集:ジャーナリスト 川辺 和将