リファレンス・ロジックツリーとはいったい何か?デジ庁作成「課題分類ツール」の凄さ
リファレンス・ロジックツリーのメリット
リファレンス・ロジックツリーをうまく活用すれば、その地域がどのような課題を抱えているのか、そのためにどのような取り組みが行われているのかを整理できます。逆に、各施策がどのような課題を念頭に置いて予算配分されているかをさかのぼって確認することもできます。 また、最終的に達成したいゴールと、関連する諸施策との関係について、住民や事業者の間で共通理解が得られやすくなるというわけです。 では、デジタル庁ではなぜ今になってこのリファレンス・ロジックツリーを作成し、各自治体に活用を求めているのでしょうか。
政府が今ロジックツリーを推す理由
デジタル庁では、デジタル技術の活用によって地方の社会課題の解決を実現する「デジタル田園都市国家構想」のスローガンを掲げてきました。 そのデジタル田園都市国家構想の実現による地方の社会課題解決・魅力向上の取り組みを加速化・深化することを目的として、「デジタル田園都市国家構想交付金(デジ田交付金)」を通じて各地方公共団体の意欲的な取り組みを財政面で支援しています。実際にどの自治体、団体を支援するかを決める際には、市民の「暮らしやすさ」と「幸福感(Well-Being)」を数値化・可視化する指標である「地域幸福度(Well-Being)指標」を用いてきました。 しかし、Well-Being指標だけでは、結果的にどの施策がどんな成果を挙げているのかを分析しきれないという課題が次第に明らかになってきました。加えて、デジ田交付金について「バラマキ」、「マイナンバーありき」といった批判や報道が相次いだことも、支援先選定の透明性を確保するツールの整備を後押しした側面があります。 こうして2024年度のデジ田交付金事業では、これまでのWell-Being指標にもとづく分析に加え、強化すべき政策分野に関するロジックツリーの試作を推奨することとし、そのための作業のひな形を作成・公開することとなったのです。