視聴数でも大社旋風? 夏の甲子園視聴数ランキングを分析
第106回全国高等学校野球選手権大会(主催:朝日新聞社、日本高等学校野球連盟)は京都国際(京都)が春夏通じて初の全国制覇を達成し幕を閉じた。甲子園開場100周年という記念の大会となった2024年夏は、今春センバツ優勝の健大高崎(群馬)、同準Vの報徳学園(兵庫)、大阪桐蔭(大阪)など優勝候補が序盤に敗退する波乱の展開。一方で大社(島根)、滋賀学園(滋賀)などが大きな話題となり、接戦の好勝負が相次ぐなどパリオリンピックに負けない盛り上がりとなった。 【動画】伝説の名将が選ぶ PL学園ベストナイン スポーツナビ内の「バーチャル高校野球」では夏の甲子園の全試合をライブ配信。視聴数ランキングから今大会ではどの試合、高校が注目を集めたのか、その傾向などを分析していきたい。
視聴数トップは劇的な大熱戦となった決勝戦
視聴ランキング1位に輝いたのは、関東第一(東東京)vs.京都国際(京都)の決勝戦。やはり優勝を争う最後の一番がもっとも注目度を集めた。 もちろん「決勝だから」という理由だけで視聴数が集まったわけではなく、試合自体も素晴らしかったのはすでにご存じの通りだろう。両チーム無得点のまま9回を終え、甲子園決勝では春夏通じて初のタイブレークに突入。10回表に2点を先取した京都国際だったが、その裏は一転してノーアウト満塁の大ピンチに。しかし、これを1失点でしのぎ切って優勝という劇的なフィナーレだった。 京都国際、関東第一ともに初の優勝を目指して繰り広げた大熱戦。高校野球ファン、スポーツファンも大満足の名勝負だったと言えるだろう。
大社旋風、早実人気、1点を争う大接戦の相乗効果
2位となったのは大社(島根) vs. 早稲田実(西東京)の3回戦。準決勝、準々決勝の各ゲームを抑える注目度となったわけだが、これには納得とうなずくファンも多いのではないだろうか。 大社は1回戦で優勝候補の報徳学園を相手に金星を挙げると、その後も創成館(長崎)、早稲田実を延長タイブレークの末に破る快進撃。同校としては93年ぶりのベスト8進出を果たし、8強の中では唯一の公立高校という大躍進で大きな話題を集めた。この“大社旋風”は視聴数にも表れており、このほかにも4位に準々決勝の大社vs.神村学園(鹿児島)、11位に1回戦の大社vs.報徳学園、20位に2回戦の大社vs. 創成館と、すべての試合が20位以内に入っている。 そして、2位にランクした3回戦は全国屈指の人気校である早稲田実との一戦に加えて、試合自体も大社が9回裏にスクイズで同点に追いつき、タイブレークの延長11回裏サヨナラ勝ちという劇的すぎる幕切れから視聴数も大きく伸びたことが予想される。