視聴数でも大社旋風? 夏の甲子園視聴数ランキングを分析
二転三転のシーソーゲームで視聴数増、岐阜城北vs.智弁学園
3位にランクしたのもこれまた準決勝、準々決勝ではなく1回戦。大会初日の第3試合に行われた岐阜城北(岐阜)vs.智弁学園(奈良)だった。なぜこの試合が視聴数を伸ばしたかというと、それはやはり勝敗の行方が予想できない接戦だったからだろう。智弁学園が9回表に2点を取って同点に追いつくと、その勢いのまま延長10回表に3点を追加。これで勝負ありか……と思われたが、その裏に岐阜城北が3点を奪い返して再び同点に持ち込むという大熱戦が展開された。 試合は11回表に再度3点の猛攻を浴びせた智弁学園が逃げ切ったものの、文字通り最後まで目が離せなかったシーソーゲーム。視聴数がグングンと伸びたのも当然のことだったか。
霞ヶ浦の市村才樹投手、金足農の吉田大輝投手が話題に
5位は智弁和歌山(和歌山)vs.霞ヶ浦(茨城)による2回戦。人気校の1つである智弁和歌山の初戦ということもあっただろうが、ネット上で大きな話題となったのが霞ヶ浦の2年生エース、市村才樹投手だ。188センチの長身左腕から振り下ろされるのは剛速球……ではなく90キロ台の超スローカーブ。この遅球で智弁和歌山打線を手玉に取る姿に「元オリックス・阪神の星野伸之のようだ!」との声も多く挙がっていた。 さらに、試合そのものも智弁和歌山が終盤8回に市村投手を攻略する名門の意地を見せ、延長11回までもつれる大接戦。そして最後は霞ヶ浦が振り切って古豪を下し、同校初の甲子園勝利というドラマチックな展開が視聴数をさらに押し上げたのだろう。 同じく2年生エースに注目が集まった試合と言えば、1回戦ながら9位にランクインした西日本短大付属(福岡)vs.金足農(秋田)もそうだろう。6年前の第100回記念大会で“金農旋風”を起こした立役者の一人、吉田輝星投手(現オリックス)の弟・大輝投手が先発登板。7回154球の熱投及ばず初戦敗退となったが、また来年、その雄姿を聖地のマウンドで見たいと思ったファンは多いはずだ。