【訃報】メルセデス・ベンツのスタイリング名匠 ブルーノ・サッコ氏が逝去
前任のフリードリッヒ・ガイガー(Friedlich Geiger)は、1930年代から1960年代を通じ、メルセデス・ベンツのスタイリング部門を統括指揮していた。「メルセデス・ベンツエレガンスの中興の祖」として、語り継げられている名カー・スタイリストで、180シリーズ/W120のような「無駄が何ひとつない造形」を創造するかと思えば、600シリーズ/W100のような「王者たる荘厳さ」を描き出した。そうかと思えば、230SL/W113に見る「モダンニズムとエレガンスの融合」を巧みに指揮し実現させた。まさに「天才の名にふさわしいスタイリスト」。それゆえに彼の率いたスタイリング部門には優秀な人材が集結した。その中にいた優秀な1人の若者が、後にスタイリング部門を率いることになった世界的に有名になった「ブルーノ・サッコ」だ!
ブルーノ・サッコの主な代表作
●メルセデス・ベンツ ESF22 (1973年) ESF=ドイツ語ではExperimental Sicherheit Fahrzeug、日本語では安全実験車の意味。英語ではESV(Experimental Safety Vehicle)と呼ぶ。 ●メルセデス・ベンツ C111-Ⅲ ターボディーゼル(1978年)。9つの世界スピード記録樹立。 ●メルセデス・ベンツ W126(1979年) Sクラスセダン、クーペ。 ●メルセデス・ベンツ W201(1982年) 190モデルシリーズ。 ●メルセデス・ベンツ W124(1985年) Eクラスセダン、クーペ、コンバーチブル、ステーションワゴン。●メルセデス・ベンツ R129 (1989年) SLクラス。 ●メルセデス・ベンツ W140(1991年) Sクラスセダン、クーペ。
次に彼の代表作を写真で紹介してみよう。愛読者の皆さんは、あっ!このモデルはブルーノ・サッコがデザインしたモデルかと納得されるだろう。特に、1979年Sクラス/W126シリーズは愛読者も印象深いといえる。事実、「すべてのデザイン形態のW126シリーズは、私がメルセデス・ベンツのために行った最高のものです」とブルーノ・サッコ氏自身が数十年後に振り返って述べている!