なぜ森保監督はスペインで苦しむ柴崎岳を日本でのベネズエラ戦に帯同させたのか?「呼びたいから呼んだのでは」
柴崎が自分自身に妥協することなく課すプレーは、同時に代表歴の浅い選手たちに自身の背中越しに見せる、フル代表に定着していくための羅針盤となる。柴崎はこうつけ加えることも忘れなかった。 「プレーの安定感を含めて常に試合で普通のプレーをするのではなく、周りへの影響や立場的に考えても、ある程度突出したパフォーマンスをこの代表チームでは見せないといけない。これから起こりうるいろいろな環境に対応していくためにも、精神的な部分を個人的には積み重ねていきたい」 あえて「起こりうるいろいろな環境」と言及した点に、ラ・コルーニャで直面している状況がさらに悪化することを、柴崎自身が想定しているように思えてならない。覚悟と決意を抱いているからこそ、ぶれることも過去を振り返ることもなく、修行僧のように己が信じた道を突き進んでいく。 ベネズエラ戦前日の18日にパナソニックスタジアム吹田内で公式会見に臨んだ森保監督は、最終ラインを慣れ親しんできた4バックとして、さらにキルギスと戦ったメンバーを軸としてベネズエラ戦に臨む先発メンバーを決めると明言した。 となると、キルギス戦で先発し、勝ち点3獲得に貢献したGK権田修一(ポルティモネンセSC)、DF植田直通(セルクル・ブルージュ)、FW永井謙佑(FC東京)、MF原口元気(ハノーファー)、そして柴崎の先発は当確となる。吉田が不在の一戦がそうだったように、左腕にキャプテンマークを巻き、精悍な表情をした柴崎が日本の先頭に立ちながら、19時25分のキックオフへ向けてピッチに姿を現すはずだ。 (文責・藤江直人/スポーツライター)