「第3の軍事革命」AI兵器 軍事利用加速で“戦争のカタチ”変わる?
橋本雅之記者 「敵の無人機をドローンハンターがロックオンしました。近づいていっています」 敵への距離を詰めていくドローンハンター。そして… NNNユタ 橋本雅之記者 「いま、ネットが発射されて敵の無人機を捕獲しました」 捕獲に成功すると、ゆっくりと着陸態勢に。ドローンハンターによる捕獲は、 銃などで撃ち落とすのに比べて破片などが飛び散らず、地上への影響が少ないといいます。 フォーテム社担当者 「発射タイミング、ターゲットに並ぶ高度や速度など、すべてAIが判断します。これはウクライナの人々が身を守ることを助ける技術です」 ◇ 火薬、核兵器に次ぐ「第3の軍事革命」とされるAI兵器。国際的な規制がない中、いま、大国間の開発競争が激化しています。アメリカで開かれた世界最大級の軍事見本市には、最新のAI兵器が集まりました。
米軍幹部 「動く標的も狙えますか?」 「AI銃」開発企業幹部 「もちろん」 米軍幹部 「人に向けて使ったことは?」 「AI銃」開発企業幹部 「そのために設計されています」 各国の軍関係者が関心を寄せていたのは、最新のAIシステムを搭載した“AI銃”です。 AIが敵を検知し、動きや風を計算して「確実に当たる弾道」を算出。自動で追尾し続けるため、人間は引き金を引いたまま、表示された的を狙うだけ、というものです。 「AI銃」開発企業幹部 「ターゲットがロックオンされたら、引き金を引き続けるのです」 米軍幹部 「すると?」 「AI銃」開発企業幹部 「命中確率が100パーセントになれば銃弾を発射します」
アメリカ国防総省が公開したのは、オレンジ色の戦闘機の映像です。操縦しているのは、人ではなくAI。高度な技術を必要とする戦闘機のパイロットを、AIが担っています。 去年9月には、人間が操縦する戦闘機とAIが操縦する戦闘機による世界初の接近空中戦、ドッグファイトの訓練を成功させました。 ◇ AIの軍事利用によって、変わりつつある戦争のカタチ。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃では、標的の選定にAIが利用され、民間人の犠牲者増加に繋がっている、との指摘もあります。 さらに、近い将来、AIが敵を選定し、人間の判断を介さずに殺傷力の高い攻撃を行うLAWS(=「自律型致死兵器システム」)が実用化されるとの懸念が高まっています。
国連のグテーレス事務総長は、2026年までに“究極のAI兵器”とされるLAWSを法的に禁じる枠組みを創設するよう加盟国に求めています。9月にニューヨークで開かれた「未来サミット」では、AIのリスクを分析する専門家パネルを、国連に設置することが決定。新たな脅威への対応が急がれています。