[MOM985]明治大MF林晴己(3年)_恩師の前で決めた“首位浮上弾”
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [9.25 関東大学L1部第12節延期分 明治大1-1桐蔭横浜大 明治大学八幡山グラウンド] 【写真】森保監督、スプリンクラーから子どもを助けて猛ダッシュ 首位浮上に導く貴重な先制点になった。前半26分、明治大はカウンターからFW高足善(2年=前橋育英高)のスルーパスでMF中村草太(4年=前橋育英高/広島内定)が右サイドからエリア内に入ると、クロスにファーサイドから走り込んだMF林晴己(3年=高川高)が合わせる。シュートはGKに防がれたが、こぼれ球を再び林が押し込んでゴールネットを揺らした。 恩師の目の前で決めたゴールにもなっていた。会場には高川学園高の江本孝監督の姿があった。「来ることは聞いていた」という林。「成長した姿をみせたいと思っていた」とするも、「今日は点は取れたけど、試合を通して満足できるようなプレー、求められるプレーができなくて、悔しい試合になったかなと思います」。結果的に首位浮上となったが、引き分けに終わったこともあって、自己評価も低いゲームになってしまった。 高川学園では10番を背負った林。高校3年生で出場した高校選手権ではベスト4に進出して国立競技場のピッチに立った。そして何より話題を集めたのは“トルメンタ”と呼ばれたFK。1回戦の星稜高戦で決まったキッカーが円陣を組みながら回転して相手を惑わすFKからのゴールは、SNSを通じて世界的な話題を集めた。 そのFKからヘディングで得点を決めていたのも林だった。「自分たちで考えて作り出したので、それが決まったのが一番うれしかった思い出があります」。ただ知名度を高めただけでなく、大学に入ってからも1年時から関東大学リーグや全国大会に出場。今季のリーグ戦のゴールはまだ2点目だが、先日まで行われた総理大臣杯では1試合2ゴールを記録するなど、成長を示している。 明大の栗田大輔監督は以前、チーム内でシュートの上手い選手として林の名前を挙げたことがあった。林自身は「パスやシュートはあまり自信はない」と話すが、周囲の評価を確実に上げている。この日は平日昼間の開催ということもあって、Jクラブ関係者の姿も多くみられた。その人たちの前で残した結果は、将来に向けた大きなアピールになったはずだ。 3バックになった後半からは左WBに移るなど、複数のポジション起用にも柔軟に対応している。「一番アピールしたいところはボールを持った時の仕掛けだったり、チャンスメイク。クロスの質など課題はありますが、技術で生きていきたいと思っているので、ここぞの場面で勝負できる技を身につけたいなと思っています」。チーム内で意識する選手として、普段から仲がいいというMF島野怜(3年=仙台育英高)を挙げた3年生MFは、「ライバルとして意識していると言われれば島野になる。一緒に頑張りたい」と意欲的に話していた。