花粉症の人は果物アレルギーのリスクあり!? アレルギーの最新事情(専門家が監修)
変わったアレルギー :消化管アレルギー
新生児や乳児に、粉ミルクなどを飲んで数時間後に嘔吐や血便などの症状が出ることがある。アレルギーの多くは皮膚や鼻腔といった体表に症状が出るものだが、これはカラダの奥深くにある消化管にアレルギーが出るもの。代表格が、最初に挙げた「食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)」だ。 「消化管アレルギーは世界で患者が増加中。子供では牛乳以外に卵黄、大人でも甲殻類と魚類で症状が出る人もいます」(山田先生) アレルギーと呼ばれるものの、食物アレルギーとは異なる病気。なぜか通常アレルギーを起こすIgE抗体が見当たらないのだ。原因食物を除去すれば、幸い3歳くらいまでに大半は寛解する。 もう一つの消化管アレルギーが好酸球性消化管疾患(EGID)。 喘息やアレルギー性鼻炎では、白血球の一種である好酸球が炎症を起こしている。同じようにEGIDでも好酸球が消化管に集まりアレルギーが生じる。こちらは原因食物の除去のほか、胃酸や炎症を抑える薬などが効いてくれる。
取材・文/井上健二(初出『Tarzan』No.875・2024年3月7日発売)