祝100周年! 歴史ある教会をリノベーションしたベーカリーカフェ「フロインドリーブ」(兵庫・三ノ宮)の歩みとこれから
大震災の被害をきっかけに、教会をリノベーション。有形文化財に登録された趣きある空間へ
そして1990年、経営は創業者の孫娘であるヘラ・フロインドリーブ・上原さんへ引き継がれます。中山手にあった店舗から、現在の教会への移転を決めたのはヘラ・フロインドリーブ・上原さんです。きっかけは1995年の阪神淡路大震災だったそうです。地震の影響でお店は甚大な被害を受け、翌年になんとか営業再開するも、建物は傾いてしまっていたとのこと。そんな時、廃墟同然となっていた神戸ユニオン教会を買い取ることに決めたのは、ヘラ・フロインドリーブ夫妻が結婚式を挙げた思い出の地を守りたいという想いもあったからなのだとか。100周年を記念して作製した焼き菓子ボックス。お店の外観を模したパッケージで可愛い! 蔦だらけの廃墟を2年がかりで修復し、教会は国の有形文化財にも登録されました。重厚感のある厳かな雰囲気をまとう建物の中で、気軽にティータイムを楽しめる唯一無二のカフェとして人気を博しています。
フロインドリーブは、なぜこんなにも愛されるのか?
記念すべき100周年を迎えた「フロインドリーブ」の経営は、現在4代目に引き継がれたばかり。4世代にわたって当時の味を守り続けています。それは3世代、4世代にわたって「フロインドリーブ」のファンが居続けるということでもあります。なぜ「フロインドリーブ」は、こんなにも愛されるのでしょうか?
作り置きは一切なし、代々受け継がれる「一日焼き」だから
その日販売するパンは当日朝に焼き上げたもののみで、作り置きは一切なし。作りたての美味しさにこだわって、初代の味を守り続けていることが愛される理由のひとつなのだとか。健康志向が高まっている今、「安心」「安全」を提供するポリシーは強みでもあります。追加で焼くことはなく、開店時間に並んでいる商品が売り切れ次第、パンの販売は終了になるとのことでした。
何世代にもわたって愛される、創業から変わらぬ味だから
デニッシュ生地とパイ生地が混ざった食感のクロワッサン初代のパン、2代目のお菓子も、レシピは変えていないそう。そして、100年を超えたこれからも、変える予定はないのだと言います。小さな頃によく食べていたパンとお菓子の味が大人になっても食べられる、自分の子ども孫の世代に伝えていける。そんなお店は意外と少ないかもしれません。100年前から変わらない美味しさであり、これからも「この味を守っていく」というのは、ファンにとって嬉しい約束です。